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中期計画の集大成の1年を迎えるにあたって

前々回に発信した「中堅者研修報告」の記事において、講師の田中 成幸さんが最後のメッセージとして残してくださったのが、「変化への努力をいとわない姿勢」でした。これは、私たちびーのびーのに深く刻まれた一言でした。
なんらかの支援に携わる人たちは、目の前の方に「こうなって欲しいな」という願いを持って過ごしているはずで、そのような職に就く私たち自身が変化を怠るのは整合性に欠けるのではないか、と・・・そう感じました。

私が長らく学校運営協議会委員を務めさせて頂いている、神奈川県立港北高校にこの4月から着任された坂本 聡校長先生も、先日、新1年生318名へのご挨拶の冒頭に、進化論を唱えたダーウィンの言葉を引用されていました。「この世に生き残れるのは強い者でもない、賢い者でもない、『常に変化をし続ける者』である」と。
私自身も昨冬から今春にかけて、この「変化とは?」と向き合いながら、新年度の幕開けを迎えました。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、びーのびーのは2022年度から2024年度の3年間の法人の目指すべき先を模索するために、「中期計画『2歩先へ!』」を策定しました。

中期計画実現3本柱と実現のためのマネジメント計画の方向性


10名の理事と2名の監事、時にアドバイザー(顧問)も入れながら、まずはボトムアップで挙げられてきた目標を抽出し、そこから3本の柱を立てました。そしてその推進を法人事務局が水面下で支えられるよう、事務局のマネジメント手法自体にも改革の道筋を立て、事業ごとに横串を刺し、一体的に議論を深めてきました。

役員は、他組織や企業などでの仕事もあり、スタッフもそれぞれ現場を抱えながらの推進だったので、行ったセッションはすべて夜(;^_^A・・・。
それぞれの分野の社会的課題の知見を共有しながら、関連事業と担当理事でプロジェクトを組みつつ、複数回実施してきました。

オンラインというツールを駆使し、時に先駆的な他活動からの学びの場も設け、私たち自身が持つ価値観や大事にしたい視点もぶつけあって変化変容させてこられたのではないか?と思います。

そして2024年度、今年度こそが計画の集大成の1年です。これまでの2年間は、法人を支える個々のメンバーが、まさに変化変容させられながら業務にあたっていたと思います。
ただ、それらの変化を個々のものにしておくのではなく、その先として、より良い子育て環境に向けたソーシャルインパクトをもたらせるような発信を行うとともに、その具体的手立てを、子ども、子育て家庭、地域社会に向けてNPO法人としてしっかり打ち出さなくてはなりません。そのための中期計画3年間の集大成がまさに今年だと考えています。

3本柱の大きな方向性1つ目は「これから子どもを産み育てる世代」に向けて、2つ目は「妊娠から産後間もなく赤ちゃん=新しい家族を迎え入れたばかりの家庭」に向けて、そして3つ目は「びーのびーのの各拠点を利用するひとり親家庭」に向けての目標です。

「これから子どもを生み育てる世代」に向けての取り組みのひとつ。
福祉×教育での近隣中学校とのふれあい体験活動の様子。

こども家庭庁ができ、各自治体はもちろん、我が横浜市としても、待ったなしの少子化社会への対策や、配慮が必要な家庭の増加に伴う対応など、行政課題としてやるべき方策は満載です。
これからもさまざまな支援が、メニュー、サービスとして、財源の確保方策と共に急ピッチで付加されていくでしょう。未来に向けて、子ども、子育てが公的な制度に守られていくこと、社会化されていくこと自体の必要性や緊急性は高いと捉えています。

一方で、NPO法人として子育て家庭により身近な地域で活動する私たちびーのびーのは、各現場を利用する子育て家庭の実状や生の声、地域社会の願いに触れているはずです。制度やサービスによって多世代が分断される現状も指摘されるところですが、制度、サービスを「心ある人」によって繋いでいける環境づくりは、草の根的な活動を担う私たちだからこそ貢献できると考えています。

親と子、そして地域がそもそも持ち得る「心ある力」を寄せ合い、最大限発揮できる予防型の活動が、まさに今回の「2歩先へ!」の3つの方向性の随所に込められています。
子どもや親、そして地域が、制度やサービスを受ける側、与えられる側としてのみあるのではなく、その持ち得る可能性や力を最大限活かしきれる、そんな社会であって欲しいと願います。

中期計画「2歩先へ!」のこの1年間の成果は、またの機会に皆さんと共有していきたいと思います。

(文責:事務局長 原 美紀)

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