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【ネタバレ】独りの人間にすぎない/「ボーはおそれている」

こんばんは、瓶宮です。

ついに、公開!みんな大好きアリ・アスター監督の最新作!「ボーはおそれている」きたーーー!!嬉しいから地上なのに4回転アクセル飛んじゃうよーーーー!!!!

と言いつつ、私はアリ・アスター監督作でいうと、「ミッドサマー」しか観ていません。なぜか?「ヘレディタリー」は怖そうだから。ホラーは、怖くて……。

「ミッドサマー」は狂気、不快と言われている中で、私はどちらかというとセラピー的なものを感じたんですよね。カルト村という最悪集団とはいえ、ここではダニーの意思が最終的に尊重されている……というのが、良いなと感じてしまいました。クソ彼氏を燃やしてエンドか……悪くないな……という。なので、アリ・アスターといっても意外と大丈夫じゃん🎶表現が気持ち悪いだけで、そんなに怖くないじゃん🎶というノリがありました。

こんな感じで、観てくるよ〜!

以下ネタバレあります!!!!!








映画『ボーはおそれている』のレビューを書きました! | Filmarks(ネタバレあり)
https://filmarks.com/movies/95663/reviews/169613842 #Filmarks #映画 #ボーはおそれている

今回は、だめでした……。ナメてかかって殴られた。当たり前。

個人的に、観劇のシーンがきつかったです。アニメ調になるところ。予告を見たときは「え〜!どうやってこれが挟まってくるんだろう!」と楽しみにしていたのですが、こう、不快というより孤独の恐ろしさを逆撫でするようなスイッチを押してくるのがハチャメチャにうまい!「TITANE」という映画が一番苦手だったのですが(見ていて物理的に痛すぎるから)、その次に位置するな……と思いました。精神的に居心地が悪くて、スマホで観てたらたぶん途中で止めてたんじゃないかと思うくらいです。

というのも、アニメ調が良い(悪い?)ダシ効かせてるところがありまして。ボーが劇を観ていると、そのうち自分を主人公に投影させて、ナレーションとボーだけの状態になるシーンがあります。BGMもずっと低音の不気味な音が鳴り続けていた気がします、絵本の世界の中にボーだけが立っているような感じです。不気味な静寂というのがミソで、独りをより際立たせているのがよかったです。ボーの心の中で淡々と語り続ける天の声。ボーは奥さんや息子を得たり、家族を探す冒険をしたりと楽しそうなことをやってはいるのですが、所詮妄想というか。妄想の中で孤独から抜け出すために努力することが、現実の孤独を浮き彫りにさせているというのがここでも出てくる。

ボーにはママがいますが、ママだけが頼りといったところがあり、彼女の死の報せを受けたときには携帯を取り落とすほど絶望していました。強固な関係で結ばれていると信じているからこそ、この絶望が孤独の恐ろしさと繋がっているのだと思います。

強固な関係を支えているのは、親子による無償の愛です。しかし、この作品では「無償の愛?ないよ」としっかり提示してくるんですよね。すごい。よくもまあ、なんて思わないけど、これを言うのってものすごくハードルが高いはず。けれどアリ・アスター作品に言わせてみれば、ハードル高いと思うことこそが囚われた発想だよねって感じなのかもしれません。

この方のツイートを読んで、そういう見方もあるのねと気づきました。親子間における無償の愛で苦しんでいる人のこと、について注目してみると、私はこの映画を「子を愛さなければならない母親の苦しみ」を解放しているのかな、というふうに思いました。ボーの主観がバチバチに混じった視点を通じて進んでいきますが、やっぱりお母さんの「絞って出てきた愛を息子にすべてかけてやったけど、何の見返りもないのが許せない」(ニュアンスすみません)という台詞が印象に残りまくってるんですよ。生んだ人は母となり、その瞬間から子に愛を与えて育てていかなければならないと相場が決まっています。正直これって、自分の人生の主体が子どもに奪われると言い換えてもよいのではないかというくらい、大きすぎるものじゃないですか?こうした母性神話からの解放、母は神様でも、子の奴隷でもなく、所詮ひとりの人間にすぎないということを肝に銘じておけよ!といったことを考えたり……。こうして考えると、人間賛歌じゃん!?とも思うけど、さすがに穿ちすぎか……。


ホアキン・フェニックスが主演ということもあり、「ジョーカー」が頭にちらつくこともありました。他者や外部の環境がホアキンをいじめまくる。何をしたっていうのよ!?

「ジョーカー」では、いわゆる無敵の人として革命のようなものを起こし、元に戻れなくなってしまいました。そして、「ボーはおそれている」では、これまでの行いが裁かれたために、命を落としてしまいました。おい!ホアキンが平和に暮らせる道はないのか!?それとも、やはり死は救済なのか……?ボーもお母さんも、何が足りなかったの〜?

最後に!公式が解析ページを置いてくれているので、ぜんぜんわかんねーよ!ってなった方は是非読んでみてほしいです!わかんねーよ度がややゆるやかになります!

ぜんぜんわかんなかったけれど、楽しみにしていた映画を観られて嬉しかったです!ワイ!

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