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境界が溶けていく

自分がここにいる、と思う。
どうしてかわからないけど、
いつからか
意識から描像を生み出し
私はここにいる、と思う。

椅子に座ってみれば
椅子と自分が混ざることはなく
椅子からの垂直抗力を感じ、
皮膚で囲われている自分、
自分と椅子の境界を認識する。

ご飯を食べれば
ご飯は自分と混ざるかというと
胃や腸管はまだ体の外部であり
腸壁をこえて吸収されなければ
それは自分の一部とはならないようで
消化管壁を境界だと認識する。

皮膚に覆われた外側と
消化管を構成する内側と
それが自分と外界の境界?

分子レベルで見れば
皮膚も消化管壁も
ただ密度の高い領域に過ぎず

皮膚を通過してくる物質も
消化管壁を通過してくる物質も
絶えず流れ

ミクロにミクロに見れば
境界がどんどん曖昧になり

あぁ、一部だな、と思う。
この世界の
たくさんの素粒子たちが
あちらこちらに存在し

そのなかでぼんやり
密度の高いところが自分
紛れもなく世界の一部。

皆そうで
そう思うとなんかいい。

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