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朝、ランニングの用意をする成人男性の様子を覗き見しよう

朝、ランニングの用意をする成人男性の様子を覗き見しよう

・朝だ。明るく設定したスマホが特にまぶしい。朝の三十分間、明るさ軽減フィルターをオフにする設定になっている。それで目が覚めるだろうという魂胆だが、役に立った実感はない。

・モコモコと起き上がる。分厚い掛布団がたて半分に折れて、通常の倍ふっくらする。コッペパン。

・うっすら朦朧としたまま靴下靴下。昨日風呂上りに履いて、寝る前に脱いだ奴。ほら頑張って頑張って、机の上に足あげて。

・昨日のうちに畳んでおいたわしゃわしゃのジャージみたいな服を着る。いつから着てるんだ一体。劣化する様子もないし、体のサイズも変化する様子が無い。こんなに伸びる前に身長ストップしてくれれば、こんなに頭と肩をぶつけずに済んだのに。

・あ~眠ぃ。飲もう。何か。牛乳飲もう。チンしよチンしよ。ランニングは習慣になりつつあるが、牛乳飲んだのは今日が初めて。悪くない。ホット牛乳はあんなに味うすくなるっけ。歯磨きしてないクッセェ口のせいにしとくか。

・ちょい腹ごなしもしたところで、いこか。

・ぬくい飲み物飲んだ後だと、冷たい空気が気持ちいい。鼻を抜ける冷たさや平たい顔で感じる冷たさを余裕を持って楽しめる。少し走ると体が内から湧いて温かい。寒さとは無縁。無敵。

・足の筋肉がついてきたようで、スピードに乗って走れるようになってきた。大股で駆ける。水溜まりや歩道の段差をピョンスコしながら走る。気分はもう忍者

・公園を通り抜けたあたりにある、頭上の枝をジャンプしてタッチしてみたり。このへんが元バスケ部。バスケ部はどこでも飛ぶ。そういえばあの木は墓地のすぐ近くだった。不謹慎な忍者だ。

・そろそろ終わり。ラストスパートかけたところで疲れもしない。大した距離ではないから。あれぐらいの距離を走っていて意味があるのだろうか。早起きしてシャワー浴びるだけで申し分ないのではないだろうか。イヤになったらこれを思い出して、心置きなくサボろう。

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