自己紹介3

結論、何をやれば良いか分からなかった。

やりたい事があるのに、それを始める方法が分からないというか、手段が見えないというか、優先順位が付けられないというか。
時間を無駄にしたくない気持ちから、行動する前にある程度自分のマインドマップを整理しておきたかったのだが、そもそも、会社を作る必要はあるのか?など自問自答の日々がしばらく続いた。

まずは、事業の目的を明確にすることにした。
自分のやりたい事と、それがが社会に与えるメリット、世の中のトレンドやニーズ自分なりに分析しては天秤に乗せては降ろしてを繰り返して、吊り合うものを探すような作業だった。

そうして導かれた答えは、
【労働者と経営者の間の壁を壊し、架け橋を渡す存在になる】こと。
すべての労働者をリスペクトして、政府の掲げている働き方改革を現場に落とし込めるようなサービスを提供することだ。

事業の目的や方針が文字に書き表せるようになったところで、更に具体的に何をして、何を達成させるのかといったゴール設定をしていった。
実際に自分の経験から、現場は何に困っていて、何をしてくれたら助かるのか。そんなことを想いながら業務の詳細や目指すべき姿をパワーポイントでまとめ、スライドにナレーションを付けた事業紹介ムービーを作った。

別に誰に見せるわけでも無いのだが、自分自身途中で方向性がぶれないためにも、自分で作る会社なのだけれど、「自分が一員となった会社はこの方針に向かって事業を進めていくんだ」という道標にするために作った。
今もフォルダに仕舞って時々見返している。

次にやったことは、すぐに売上になる事業も並行して進めること だ。
この背景には、自分のやりたいことは謂わば大規模プロジェクト並のスケールになってしまっていて、会社勤め時代にもいくつもの経営改善等のプロジェクトメンバーとして取り組んできたことがあったから分かっていた。
“すぐにお金にはならない”ということ。

プロジェクトは、段取りが9〜下手したら10割で、とにかく事前準備に時間がかかるのだ。
俺にはお金がない。イコールして時間がない。つまり、この事業をカタチにするためには、平行して飯を食うための事業も行う必要があった。

そこで考えたのがデザイン業だった。
これも会社勤め時代に、店舗のメニュー、ポスター、チラシやクーポン券など様々な販促ツールを作ったことがあった。
もちろん大手企業なので、デザイン会社と契約もあり、基本的にはその会社に依頼して制作してもらっていたのだが、料金が高い。提案から実行までのスピードが遅い。そんな経験からいつしか自分でAdobeソフトを買ってデザインを勉強しながら制作していた。
なんで飲食店のエリマネがデザインなんか始めたのかというのも、経営改善のためだ。新商品や売りたい企画の販促ツールを、費用を抑えて尚且スピーディーに現場に届けられる。それが魅力で始めたのだ。

社内では自分のエリアを中心に結構好評で、デザイン会社に依頼するにも稟議書や企画書など様々な手続きを要するが、俺に頼めば個店販促のツールが格安最速で自分の案も織り交ぜながら店舗で使用できることが魅力だったのだろう。

そんなニーズも感じた過去があったから。
そして、もう一つ決め手になったのは、在庫を持たず仕入れが発生しない事業だったから。
デザインは自分でデータを作れる。あとは印刷業者へデータを流して依頼主の元へ届けてもらう。そんなサービスだったからだ。

料金設定はリサーチの結果、デザイン会社はピンきりであることが分かった。A4チラシ1,000枚で相場は4〜9万円くらいで、もちろん各社それぞれ付加価値としてデザイン見直し回数制限無しや、有料素材何個でも使ってOKなどそれぞれサービスを付加して謳っていた。

では実際に自分のサービスに価格を付けようとざっと試算した結果、原価は注文が入ってから印刷会社に依頼する印刷配送料金のみ。A4フルカラーのチラシ1,000枚刷っても5,000円程。
人件費としてはだいたい4時間くらいで作業を終えるとして、時給1,000円で4,000円。
10,000円くらいでいいか。ととにかく知名度も信用もないので原価を割らない最安値を設定した。
他にも同様に、原価と作業時間だけ試算して料金を決めていき、基本となる飲食店に必要な販促ツールを揃えて価格表を作った。

こうしてチラシや販促ツールの制作を“すぐに売上になる事業”として始めた。

ただ現実は甘くない。

分かっていたけれど。

宣伝方法は、チラシ配りと飛び込み営業。
前者は、チラシを作ってとにかくポスティングして回った。
後者は、店頭に手書きのポスターや値札など貼っている店舗を見つけては写真を撮って持ち帰り、デザインソフトで綺麗に作って印刷ラミネートして持っていくという方法。自分で作っちゃいました営業と呼んでいる(笑)
「良かったら使って下さい。他にも作り直したいものがあればここに連絡下さい。」とうちのチラシと名刺を置いて帰る。

これが以外にも、使ってくれたときの嬉しさは本当に想像を超えるものだった。無料で渡しても知ってもらえればそれでいい。と思ってやり続けた。

こうして今現在、デザイン案件の注文は月に5件ほど。
どれも単価は10,000円前後。
チラシや名刺、ステッカーなどの注文をもらった。
でも、ありがたいことにどの取引先も継続案件として既に何度か依頼してくれている。


…時間軸が交錯してしまった。
話は会社設立前の準備の段階に戻る。

こうしてこの2本柱を決めて実際に会社設立に挑むことにした。

事業1:働き方改革を現場に落とし込むプロジェクト※
事業2:デザイン業
※今は更に具体化させた面白い企画を思いついてカタチにしている所

会社設立は初めてのことでマジで何も分からなかった。
ネットで調べては自分なりにノートにまとめた。
必要な物、やっておくべきこと、設立の手順など、調べて問い合わせて直接聞きに行ってを繰り返して遂に法人番号が付与されたわけだ。

定款の読み方すら分からないやつが、借金300万円背負って収入源も絶ったやつが、今こうして無事に会社設立を終えているわけだから、よく広告で見かける『お金がなくても会社が作れる』というのは嘘じゃないのだ。

ただし問題はこれからだということは自分で一番良く分かってる。
焦りしかないのも本音だし、お金に追われるストレスは慣れてはいるけれど今回は食っていけないレベルなのでさすがに堪えてる。
もちろん全て自分で選んだ道。

「あの時は本当にお金もないのに、馬鹿でしたね。でも、夢は想い続けて行動に移せばいつかきっと叶いますよ」
そんな風に偉そうに語れる日は来るのだろうか。

とにかく今は、目の前のやるべきことをやって、アイディアをどんどんカタチにして、試行錯誤して、失敗を学びに変えて、七転び八起きで、前だけを向いて頑張ろうと思う。

すべては自分のやりたい事【労働者と経営者の間の壁を壊し、架け橋を渡す存在になる】ために。今日も曇り空を眺めながらこんな長ったらしい文章をポチポチ打ってる。

これからも毎日、後で自分を外側から見て反省と改善を繰り返せるように日記として書き続けて行こうと思う。

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