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オフセット・モデリングのすすめ

オフセット・モデリングに至った経緯

道路とか河川とか、土木で扱うものの寸法の多くは、「平面線形」に対して変化する縦断(高さ)と「横断方向」の寸法により、設定されます。
CADによる作図を行うとき、通常の汎用CAD機能ではこの「平面線形」「横断方向」による作図を行うことが困難でしたので専用CADによる作図が必要となっていました。
しかしながら、専用CADは取り回しが面倒で細かいところの作図に不向きだったこともあり、当社では汎用CADで「平面線形」「横断方向」を扱うためのVBAマクロを作成して対応していました。
これは、要は線形計算を行うためのマクロでした。

さて、そして近年。CIMだ!3次元だ!ということで、従来作成していたマクロを拡張して以下のような3次元作図コマンドを作成すると、汎用CADの機能でだいたいのものを3次元で作図することが可能になりました。

  • 高さ(縦断高)を計算/設定するためのもの

  • 3Dポリラインのオフセットを行うもの(平行オフセット)

  • 線形直角方向に3Dポリラインのオフセットを行うもの
    (線形方向オフセット)

  • 3Dポリラインから面や立体(ソリッド)を作成するもの

そうすると3次元作図が身近になり、現在ではちょっとした検討でも3次元で行えるようになっています。

オフセット・ モデリングについて

上記コマンドを用いた3次元作図は以下の手順が中心となりますので、当社ではこのモデリング手法を「オフセット・モデリング」と呼んでいます。

  1. 基準となる線(3Dポリライン)を引く、または作成する

  2. 計画したい方向に、上記ポリラインをオフセットする

  3. 線と線の間に面を作成する

  4. 作成した面 と その他の面(地表面など) を干渉して交線を得る
    → 1に戻る


しようよ。3次元。

それで近年、当社では3次元による計画を行う機会が多いのですが、発注者、協力会社、メーカーさん、その他関係して作業を進める方々いずれも3次元データを扱える人がなかなかおらず、「3次元データを使ってもらえない」「3次元データで話ができない」というのが現実です。
正直言って、2次元データを作って話をするのは手間なんです。皆が3次元データを扱えると楽だし、せっかく作ったデータは有効に利用してもらいたいのです。
「しようよ。3次元。」


SCIMの公開について

ということで、「3次元作図をもっと身近に」するために当社で使用しているVBAマクロ『SCIM』を公開します。
なお、SCIMというのは、Simple(簡単)にCIMを、ということで、ややこしい設定等しなくても部分的な3次元モデルを作成したり、修正したりできるようなものを目指して命名しました。
『SCIM』は現在、BricsCAD V24用のVBAマクロとして作成しています。
過去のバージョンは動いていたのでAutoCADでも動くと思いますが、未確認です。

≪ダウンロードに際してのお願い≫
 本ソフトウェアは3次元作図の普及のために公開するものです。作図等用途の場合は自由にご使用ください。
 エラー等の確認は最小限しかしていませんのでご理解ください。
 本ソフトウェアを使用したことによって生じたすべての障害・損害・不具合等に関しては、製作者個人および所属するいかなる団体・組織とも、一切の責任を負いません。各自の責任においてご使用ください。


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