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京都人母が言う「リフォーム始まったなぁ」の本当の意味。

わたしの母は京都の生まれである。しかも、京都のなかでも上京区という最も御所に近い区なので、そこに誇りをもっている。

そんな母の何気ない一言に
「もしやこれは京都人の言い方では?」
という京都人しぐさが散りばめられている。

先日母が

「303号室、リフォーム始まったなぁ」
と話しかけてきた。

「そうなんやぁ」
とわたしは適当に返事をした。

わたしはその一言をすっかり忘れてしまっていた。そして数日後、家でゆっくりしているとなにやらゴゴゴゴゴゴゴと地響きのような音がしてきた。正直うるさいと感じるほどの音だった。


「303号室、リフォーム始まったなぁ」


母が言ったあの一言が蘇ってきた。そして気が付いた。あれはリフォームが始まったことを言いたかったわけではなかったことを。

すぐに母のもとへ駆けつけ

「あの一言ってリフォームの音がうるさいっていうことやったん?」

と尋ねると

「せやけど」

と母にやり。

そしてこう続けた

「うるさいとかそのまま表現したらあかん。その言葉の奥に隠れてる意味をくみ取らな。」

わたしはこの京都人らしい言い回しに震え上がると同時に拍手を送りたくなった。こういう会話が京都では当たり前のように飛び交っていると思うとおしっ〇ちびりそうである。

京都人を理解するにはまだまだ勉強不足だと痛感した出来事だった。


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