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【神奈川のこと75】オーマイ、シウマイ(鎌倉市/大船ルミネウィング)

昨日、今年二度目の崎陽軒のシウマイを食べた。
よってこれを書く。

子供の頃、崎陽軒のシウマイはごくたまにいただくご馳走であった。
醤油をべちゃべちゃにつけて食べる。
これが実にうまいのである。
グリーンピースは嫌いだった(今も苦手)が、崎陽軒のシウマイに入っているのは食べられた。

大人になって、自分のお金で野球観戦ができるようになると、横浜スタジアムでは決まって、シウマイ弁当を食べた。
からしをうまいこと均等に、シウマイに乗せる技が自然と身に付いた。

鎌倉に再び戻ってからのこの10年は、たまの土曜に東京で仕事した帰り、夕方の大船ルミネウィング2F、崎陽軒ブースで購入する。
お客さんがひっきりなしに訪れるブース。
崎陽軒の人気の証拠でもあるが、いわゆる「角小間」と呼ばれるブース位置も良いのであろう。きっと、1万5千円ぐらい多く、角小間料を取られているに違いない。

赤と黒の制服を身にまとった、店員の笑顔と手際の良さが好きである。
地元の小中学校の先輩や後輩の、どこか、お互いに共通の記憶を持っているそんな身近で素敵な雰囲気の店員たち。「〇〇先輩の彼女だった方ですよね?」と思わず聞いてみたら、本当だったりして。

いつも買うのは、15個入り620円のやつ。
何度かその倍の30個入りを買おうとしたことがあったが、売り切れであった。だから今はもう欲を出さず、無難に15個入りを頼む。
売り切れという残酷な仕打ちに打ちのめされることなく、ちょっとだけ匂うシウマイを持って、湘南モノレールに乗り込む。

自宅に帰り、袋から取り出してしばし、伝統の赤い包装紙を眺めつつ、玉手箱を開けるかのごとく、わくわくとした気持ちで開封。
ああ、並んでる並んでる。きれいにずらりと並んでる。
小さいながらも十分に水気を含んだ強力なるお手拭き。
瀬戸物の醤油入れ。見ている人を幸せにしかしない、その図柄に心が和む。
シウマイ弁当の時と違って、「からし均等乗せ」はせず、醤油とからしをべちゃべちゃにつけながら一つ一つをいただく。

口の中に広がる変わらぬ味は、脳を刺激して、幼少の頃に住んでいたマンションのリビングとその窓から見える横浜の空を投影する。

瀬戸物の醤油入れは、捨てるのがもったいないので、いつも取っておこうと思うのだが、やっぱり用途がないからと結局捨ててしまうのだ。

今回は、取っておこう。



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