【神奈川のこと25】愉快、痛快!地元クリニック(鎌倉市津村)

本日は、インフルエンザ予防接種を受けるため、地元のクリニックに行ったのでこのことを書く。

そのクリニックには6年前の平成26年(2014年)、インフルエンザにかかった時に受診し、それ以降は毎年、予防接種を受けに行っている。

父と同年代ぐらいと思われる男性ドクター(以下、先生)、サザエさんが年を取ったらこんな感じだろうなと思わせる陽気なナース(以下、ナースサザエ)、そして、まるで場末スナックのママのごとき受付(以下、受付ママ)、という個性的な3人で「回して」いる。

それは実に愉快、痛快な地元密着の町医者なんです。ちょっとやそっとでは真似できません。患者も、まあよくそれを心得てましてね。

受付ママ:「〇〇さん、お会計130円。あっ、間違えた260円ね。」

(待合室の患者数名:笑)

患者A:「はーい。」

受付ママ:「お父さんにさ、たまには顔出してって言っといてよ。元気ならいいんだけどさ。」

患者A:「はーい、言っておきます。」

受付ママ:「それじゃ、またね。」

患者B:「(予防接種を終え、診察室から出てきて)終わりました~。あと、今度オイル交換しとくから。」

受付ママ:「いつもごめんね、助かるわ~。」

患者B:「それじゃ、失礼しま~す。」

受付ママ:「あっ、ダメよ行っちゃ。(予防接種を受けたら)30分はいないといけないのよ。」

患者B:「(苦笑いしながら)えっ?まだ帰っちゃダメなの。」

(待合室の患者数名:笑)

受付ママ:「勝手に帰っちゃダメよ。そういう決まりなのよ。」

ナースサザエ:「さっきの患者さん、名前何て言うんだっけ?」

受付ママ:「ユーゾーよ、加山雄三と同じよ。」

ナースサザエ:「あら、いい名前じゃない!」

(待合室の患者一同:笑)

先生:「小林さ~ん。」

私:「はーい。」

先生:「あなた早く来ておいて良かったよ。この分だと今年はすぐ(予防接種)が無くなっちゃうよ。」

私:「あ、そうですか、それは良かったですわ(と言いながら右腕をまくって出す)。」

先生:「右でいいの?」

私:「はい、左利きなので。」

先生:「♪私の私の彼は左き~き~♪(と口ずさむ)。」

ナースサザエ:「まあ先生、新しい!」

先生:「はい、じゃあ行くよ~(と言って注射)。」

ナースサザエ:「あ~これは良く入った、しっかり入ったからもう大丈夫よ。」

受付ママ:「小林さ~ん、お会計ね。悪いけどあと10分はいてね。」

私:「今度、ウチの次男坊も予防接種受けに来ますんで、よろしくお願いします。」

受付ママ:「まだ学生でしょ。早い方がいいわよ。平日でもいいからいらっしゃいって言っといてね。」

ドクター:「〇〇さ~ん(とナースサザエを呼ぶ声)。」

受付ママ:「〇〇ちゃ~ん(とナースサザエを呼ぶ声)。」

ナースサザエ:「はいただいま!」

とまあ、そんなやりとりの声が院内に響き渡る中で、患者はひっきりなしに入ってくるわ、診察室からは笑い声が聞こえるわのにぎやかなこと。

患者が入ってきて、席が空いてなければ、お互いに譲り合ったり詰め合ったりする。おばあちゃんの患者に、車のお迎えが来れば、入口付近で気づいた別の患者が「車来てますよ~」と教える。小さな頃から来ている高校生の患者に、受付ママが「あらま、いい男になって~。」と声をかける。

一年に一度だけ訪れるこの地元クリニックには、そこだけ切り取ったように下町人情が漂う。先生、ナースサザエ、そして受付ママの絶妙な息の合い具合が作り出す、誰にも真似できない独自の世界。それが、この世知辛い世の中で、人間の持つ「善の本性」を呼び覚ます。捨てたもんじゃないと未来への希望が持てる。

笑いの絶えないクリニック、迎合しない個性あふれる三人の振る舞い。

ニヤニヤと、思い出し笑いする帰り道の足取りは、いつも軽い。


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