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あぶらっぽい話 ①

 皆さんも、耳にタコができるくらいオイルの重要性を聞いてきたと思う。
色々比喩されているが、血液に例えられることが一般的かと思われる。それほど重要な割には、相変わらずオイル管理が悪く、早期に寿命を迎えた車体を数多く見てきた。
 
 なぜオイル交換をケチるのか。その理由として、一番に思い当たるのが、ガソリンスタンドである。その昔(昭和の時代)全てのスタンドは、スタンドボーイがいて、窓拭き、灰皿清掃、給油までしてくれていた。そのスタンドボーイは、実はセールスマンでもあったのだ。
 彼らは当時「油外」と言われる売上を上げろと指示されていたはずである。「油外」とは、ガソリンを除く商品を指す。例えばワイパーブレード、添加剤、等である。その中でも最大利益率を誇ったのが、エンジンオイルだった。「油」なのだが、何故か「油外」なのである。
 取り敢えず、お客の車のボンネットを開けて、オイルゲージを引き抜き、「汚れてますね」が定番のセリフである。先週オイル交換したばかりなのに。かくして、オイル交換そのものの信頼性や意味が失われ、その経験がオーナーのDNAに刷り込まれた結果だと考える。
 要は、オイル交換を奨める店は、儲け主義な店となってしまったのである。だがしかし、今となっては、せいぜい4Lくらいでいくらの利益が出るのか。1日に何十台もこなさなくては、人件費も出ない。
 
 現行のガソリン、ディーゼルエンジンは排気ガス規制による構造上の特性があり、オイルにかかる負担は当時とは比較にならないものとなった。
 端的に言って、オイルは潤滑剤なので、摩擦を低減させるのが主目的なのである。そのベースとなるオイルは、鉱物油、半化学合成油、化学合成油に大別され、それぞれオイルの浸透性や、耐衝撃性に差がある。そこに洗浄分散剤等の混ぜ物を加える比率によって、オイルの価格が決まってゆく。
 私は、オイルの概念としてオイルの分子が織りなす布だと考えている。かなり乱暴な発想だが、エンジンの構造を知らないオーナーでも、わかりやすいかと思うのだがいかがだろう。
 服でも、雑巾でも使っていれば、至る所にほころびができる。このほころびが、油膜切れと言われるところである。では、オイルのほころびとは、どのような状態なのかと言うと、これもかなり乱暴な発想だが、分子同士が手をつないでオイルを形成しているが、エンジン内の高温や、回転部分の摩擦、ギアなどの篏合部の打撃等により、手を放してしまった部分とでもしておこう。
 オイルは、エンジン内部の汚れをふき取り、オイルの中に取り込んで、こすれ合う部分を包み込みエンジンのパーツを守っているのだ。そして、ある一定の距離や期間で劣化したオイルを交換する必要がある。

 色々言われるオイル交換のスパンだが、4輪と2輪では全く違う。②へ続く


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