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コーンスープ

ある日曜日の朝、家族からのリクエストでコーンスープを作った。

玉ねぎとニンニクを薄くスライス。

バターをフライパンに入れ、トロっとなったところで玉ねぎとニンニクを挿入。

弱火でゆっくりと、あめいろになるまで炒める。焦げないように、かき混ぜながら。

あめいろになった玉ねぎの中にコーンの粒を入れて、さらに炒める。

コーンの甘みが引き出されたところで、水を加えて煮込む。

コトコト煮込む間に、洗い物をすませよう。

煮詰まったら火からおろし、粗熱をとって、フードプロセッサーへ。ここは機械のパワーを借りる。

細かく砕いたスープを、濾しネットで裏ごしする。ここはかなり時間をかけてしっかりと。

とろりと滑らかなスープができたら、なべに戻して火にかけて、塩コショウで味付けをする。

お皿に入れて、出来上がり。

この作業に、約2時間。
日曜のブランチ。ゆっくりと家族の顔を見ながら、お話をしながら食事をする。
家族は「おいしい」と、コーンスープをあっという間にたいらげてくれた。「おかわり」と言ってくれたけど、そんなときに限っておかわりはなくて。
作るの2時間、食べるの10分。
まぁ、いっか。

ゆっくり時間をかけて、料理をすることを忘れていた。

お湯を注いで30秒かき混ぜて出来上がりの粉末スープや、コンビニのお弁当やお惣菜は、その名の通り、早くて便利。
そして私は「時短レシピ」を、日々の料理の中に取り入れたりもする。

便利な料理には、便利な味。
急いで作った料理には、急いだ味がする。


いつからこんなに、忙しいのが普通で、便利とか時短に価値をおくようになってしまっていたんだろう。

スピードが速すぎて見落とすこと、忙しすぎて見落とすこと。
見落としていることにさえ、気づいていなかったかもしれない。

時間をかけて作った料理は、時間をかけた味がする。

家族のおいしく食べてくれる様子を想像しながら、ゆるやかな気持ちで作ったコーンスープ。


幸せなブランチのひとときだった。

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