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美心 ーbijinー #0.7〜パズルの欠けたピースを探して 〜

みさこ:ニュージーランドから帰国して第二新卒みたいなかんじで日本で就職活動始めて、翻訳の会社に決まって、そこから念願の正社員に。でも日本で働いているうちに、パニック症候群っていうのになっちゃって。東京の満員電車で毎朝呼吸ができなくて倒れそうになる瞬間があって。死別の心のケアも十分にはできていなかったせいもあって、毎朝の通勤が苦しかった。人も会社も申し分なくて、そこそこ楽しくていい同僚もできるんだけど、いつもそうなの。いつも自分の状態がよくないの。


茉莉花:そうなんだ。


みさこ:日本の会社では自分は翻訳の裏方だったんだけど、いろいろとモヤモヤを感じ始めていたときにニュージーランド時代に取引があった翻訳マーケティング会社の人に、ニュージーランドで翻訳をしたいと伝えたら、ちょうど人を探しているからうちでトライアルを受けてみないかと言われて。トライアルを受けたら見事合格して、フルタイムで採用してもらえることになって。年俸も申し分なかったの。キャリアアップで転職できることになって、それでまたニュージーランドに戻ることになった。その時には永住権は持っていたから、ワークビザの心配もいらなかった。私にしてみたら、常に良くしたい、変えたいっていう意欲があるかなって思う。


茉莉花:そういう環境が必要なんだよね。


みさこ:すごく恵まれているんだけど、ひとつでもパズルのピースが合わないと、これじゃないってなっちゃうのかもしれない。そういう人生なのかな。2回目のニュージーランドはすごくよかった。


茉莉花:その時は不動産トラブルもなく?


みさこ:不動産トラブルは大小あったよ。基本的にはフラットといって、現地の人たちとシェアして暮らしていたから。一番大きいのはドラッグ戦争とか。フラットのオーナーとフラットメイトが何かで激しく争って警察沙汰になったり。私はベッドの後ろで身を隠している感じ。居心地悪いなと思うと引越ししたから少なくとも日本に帰国するまで4回も引越しした。


茉莉花:日本で今の旦那さんと結婚することになった経緯は?


みさこ:愛知万博のタイミングで日本に仕事を持って帰ってきて、愛知県に暮らすようになって、その時に東京の友達の紹介で出身が同じ東京の今の旦那を紹介してもらったんだ。


茉莉花:恋人とのつらい死別の経験もあったけど、結婚へ前向きになれたのは?


みさこ:恋人と死別して、いろんな人生を想像したときに、亡くなった彼を思うばかりに未婚のまま生きていくのは寂しすぎるかなって思ってた。ニュージーランドの美しい景色を共感できる家族が欲しいって思うようになってて。結婚して親を安心させたいという気持ちもあった。だから、結婚してよかった、っていうのはあるかな。


TEXT MISAKO


美心プロジェクトInstagram: http://instagram.com/bijinproject88
プロジェクトメンバー:藤城 茉莉花山田 みさこ

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