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言葉で伝えたいのなら、学び続けよ、磨き続けよ。

この世は人を惹きつける不思議な言葉であふれている。文学的でもないはずなのに、なぜか気になってしまう。いやはや、実に不思議ですよね。

山本マコトさん著『「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本』は、人の心を動かすキャッチコピーを生み出すテクニックが綴られています。

表紙には「マネて書けば売れる具体例」と書かれていますが、実際にマネしやすい具体例が山ほど載っています。それぞれのフレーズはしっかりと解説されており、あてずっぽうで書かれているわけではないことを納得しました。

たとえばプロフィールを書くことの意義も、こんなふうに。

単に「店長のお薦め」と書くくらいなら、そこにいろんな情報を付け加えたほうがいいです。その代表がプロフィールです。年齢だけでもよい、家族構成でもよい、未婚既婚でもよい。それを書くだけで、その個人の背景にあるものまでが感じられるんです。

自分という人間の存在を出しておくことで言葉にリアリティが生まれる、というわけです。わたしは「自分のプロフィールなんて、どうせ聞きたくないだろう」と思っていたので、この説明は目からうろこでした。

これを実際に、自分のツイートに取り入れてみようと思った結果がこちら。

少々「いかにも!」が過ぎる気はしますが、言葉に説得力はつきましたよね。

わたしが発信で伝えたいことのひとつに「留学するなら早めがいいぞ!」ということがあるのですが、それもプロフィールを入れることで変化しました。

最初はこんなふうでしたが、


自分のプロフィールを入れたり、情報を削ったり書き加えたりして、こんなふうに変化しました。

プロフィールを書くことはテクニックのほんの一部分。このほかにも、様々なテクニックが惜しげもなく公開されています。

しかしこの本のミソはテクニックではなく、ターゲットを知ること。山本マコトさん曰く、ターゲットは個人ではなく「悩み」。しかもその人が悩みを持つ段階に応じて、使う言葉も異なるのだと言います。

自分の商品はどんな悩みを解決するものなのか?
買ってくれる人はどんなレベルの悩みを持っているのか?
悩みを解決した先、どんな姿になるのか?

などなど、しっかり考えることが大切なのだそうです。

そして、ターゲットがよく使うなじみのある言葉でなければ、書いても届くことはありません。ターゲットが使う言葉を知るために、山中マコトさんは実際にコミュニケーションを取り、どんな言葉を使っているのか熟知するのだそうです。雑誌を読むことも効果的とのこと。

そしてそして。よい表現を書き続けるためには、常にアンテナを立て、よい言葉を探し続ける必要があります。ビジネス書を読むより、常に文章と向き合い磨き続けている小説家やエッセイストの言葉に触れるべきだと山中マコトさんは述べています。

上質なエッセイや小説には、巧みな「言い回し」が使用されており、これがコピーを作ることにも役立つのだそうです。

上手くいかないことに行き当たると、「これさえあれば完璧!」 という秘儀を求めがちですよね。セールスライティング、コピーライティングなど文章を扱うことにおいても、そんな秘儀はないようです。毎日アンテナを張り続けて、良い表現を磨いていきたいものですね。

『「バカ売れ」キラーコピーが面白いほどかける本』、言葉で伝えることに悩む方に是非お勧めしたい一冊です。