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それでも図書館に行く

one two comme on,

俺はライターをやっているが、自分の言いたいことを書くときに読みやすい文章は書けねえ Yeah

こんな文章を書くやつには金は払えねえ、という気持ちはわかる YO

それでもお金を払ってくれるクライアントがいる マジ感謝 Yeah

仕様書は読んでる YO

このnoteで金はもらわねえ Yeah



こんにちは。こんばんは。

利用しているクラウドソーシングのサイトが朝からぐちゃぐちゃに崩れていました。わたしだけがおかしいんだろうか? と思いながら何度もリロードしました。ぐちゃぐちゃのままでした。

インスタが落ちた時に「インスタ」をTwitterで検索すると、インスタが落ちていて困っている人たちのツイートが出てくるんです。そういう現象をわたしは知っていました。

サービスの名前を検索して困っている人がいれば、自分がおかしいのかサイトがおかしいのか、答えがはっきりします。検索して目に入ったのは、たらればさんの、この一連のツイートです。

いろいろな意見のリプライがくっついていました。

相場がわからない人がいいように使われているだけ、だとか。
安くても引き受ける人がいるから価格崩壊が起きる、だとか。
「カモ」だと書いている方もいました。

わたしは0.3円くらいから、1円もしないような案件を中心にお引き受けしています。値段の安い案件からこなして、力をつけて、少しずつ単価の高い仕事にも挑戦する。そういう展望を描いていました。

(こういう記事を読んだりしていました)
参考:初心者ライターに単価の低い仕事を全力で進める5つの理由

でも、です。自分が、価格崩壊を引き起こしている存在なのかと思うと、一気に自分のやっていることが汚く感じてきませんか。感じちゃったんです。

***

そもそもわたしがライティングをしようと思ったとき。

偶然にも自分が書きたいと思っている分野でライター募集がありました。テストライティングをさせていただくことになりましたが、継続のご依頼をいただくことはできませんでした。

書きたいものを書くことより、書けることを書こうと思いました。ギリギリ自分がわかる分野を応募したら、全然わからない内容の依頼が来ました。

悩みながら書いたら、喜んでいただけました。「誰かのための文章を書くための実戦練習」だと思って、とにかく何でも引き受けてみようと決めました。

1月の半ば、応募していた飲食店のアルバイトが不採用になりました。理由は他の店のほうが合っているとか、本音を言えない人は入ってからなじめずに苦しむとか。
働く前から働く姿を決めつけられているようでした。悔しいけれども何も言い返せませんでした。その日は誰にも弱音もはけずに、ひとりで神社で泣きました。

人柄で品定めされるのではなく、納品物をみて自分を選んでくれた人のことを、大切にしようと思いました。それから書けそうなもの全て応募しました。

選んでもらった案件はとにかく本で情報を調べます。図書館に行くことが増えました。文献がないものはネット上で、なるべく複数の記事を読むようにしています。日本語の情報が足りないときは、英文をGoogle翻訳にかけて情報を補いました。

書いている時間は3時間くらいですが、書くための労力は何倍も使っています。調べることに丸一日、書くことに丸二日かけるような記事もあります。もっとかかっているものもありました。

でも、でも、どれも本当にわずかな金額にしかならなりません。

インターネットに自分のメディアを作るのは大変です。売り上げを上げるの、もんのすごく大変です。
そこがわかってるから、お金もらえるだけありがたいと思ってしまうんですよね。はい。カモです。

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ところでわたしに案件をくださるクライアントさん、みなさん連絡も速くて丁寧です。ありがたいです。

でも、書いた記事に対して何のコメントもない方もいます。自分がお金を出しているのに、それでいいの? と思って、すごくびっくりします。

わたしがデザイナーさんにお金を払ってお仕事を頼むときは、まずデザイナーさんにいくつか案を出してもらいます。そこから気になるものを選んで、こちらの希望とデザインが合うように頼んで、何度も何度も修正をしてもらいます。それが普通でした。

わたしのライティングの仕事には、そういうやり取りがほぼないのです。

いい記事にしたくて書いています。主観的に、なので、足りないところはあると思います。でもお金をいただいている以上は、相手にとってもいい記事であってほしいんです。だから、指摘があったら。

それが、叶わないのですよね。初めから相手の意図を完璧にくみ取って、100点満点の記事を書くことが求められている。

かといえば、わたしの名前で載せていただいている記事に、不本意な修正が入っていることもあります。もちろんちゃんとした修正もあります。

でもね、ちゃんとしてないものだって、わたしの名前で出している以上責任はわたしにあるわけです。だから、修正入れられないようなものを書かなきゃ、って思うんです。

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今日。

クライアントさんから継続のご依頼をいただきました。納品したものをとても喜んでくださっているようで、自分にはもったいないほどの誉め言葉がたくさん並んでいました。この案件は全く専門外の分野で、知らないことを知れてすごく楽しかったんです。自分も楽しくて相手も喜んでくれるなんて、やってよかった。そう思っている自分がいます。

カモなんでしょうか。


ところで。わたしはいまライターとは関係のない新しいアルバイトに応募しています。時給はほぼ最低賃金です。でも自分のビジョンに合う仕事だったので、応募しました。わたしが1月に落とされたアルバイトは時給が高かったので、数百円の金額の開きがありました。

「時給数百円分、お金を出して学ぶだけの価値があると思って応募する」

父にそう言ったら「それ以上の価値がある経験になるよ。その経験はいつか必ず生きてくるから」と、背中を押してくれました。

これも、カモなのでしょうか。

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2月6日。自分の仕事が価格崩壊を続けさせる要因になっていると思うと、とたんにむなしくなってきました。終わった案件から次の案件に進む、というのができません。「できないときもやる人がプロだ!」という意見もわかるんです。その通りですよね。でも、今日はだめでした。

アルバイトの採用不採用の連絡を待ち続けて、クライアントさんとやり取りをして、オンラインサロンにちょこっと顔をだして。何かできないか考えてもがきながら、お金にならない時間を浪費しました。

本当はライブに行こうと思ってたのに、時間を忘れて返信ばかりやっていました。18時には会場で当日券を買おうと思っていたのに、18時にやっとコートを着ました。タクシー使えば間に合う。でも、タクシーを使うお金もない。コートを脱ぎました。

一生に一度しか来ない2020年2月6日のライブを、自分の不注意と、お金がないという言い訳で行くのを止めました。

ライブはたぶん、ほかの場所の公演が映像化される。映像化されたら買えばいい。でも、一生に一度しかない、今日この日に生で観られる機会を、あきらめた自分を恨みました。

お金を稼がなければいけません。高単価の仕事を受けなければなりません。でも安くても引き受けた依頼を完了できない人に、次の仕事はありません。

大事にしてる言葉があります。「涙を落とすならノートで受け止めろ」。涙を流しながらnoteを書いています。わたしは明日も図書館に行く。おやすみなさい。