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工具の世界 「第5回 整備と推理」 No.245より

Text : 山田卓弥


治療と修理

 ちょうど一年ほど前に初めて手術を必要とするくらいの大病を患いまして。命に関わるような病気ではなかったのですが、神経系の病気だということがわかり結果として首の骨、頸椎がダメってことになって一ヶ月ほど入院して無事に完治しました。
似たような症状の経験がある人ならばわかると思うのですが、神経系統の病気って原因を突き止めるのがなかなか困難でして。例えば今回の私の場合だと指先と背中が痛くて病院に行ったら結果首が原因です──とかね。きちんとした原因が分からないと見当違いな処置でいつまでも改善しないとかよくある話らしいので本当に良かったと思うしお医者さんには感謝しております。
 そしてこの病気になってぼんやり考えていたのが「なんだか車両整備と似ているな」ってことでした。

内燃機関の三大要素

 例えば愛車のエンジンがある日突然掛からなくなったとします。
「エンジン壊れた!」
 と騒ぎたくなりますが、内燃機関が正常に動かなくなるにはロジカルな理由が必ずあるわけで冷静に原因を探すのが修理への最短ルートになるわけです。
オールドタイプな人なら一度は聞いたことがあるエンジン始動での三大要素

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