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回想 「エルバ島、3日間の時間旅行に遊ぶ」

Itde2015 Isola d'Elba Revival
インターナショナル3デイズエンデューロ・エルバ・リバイバル

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野口さんと1974年式のGILERA 125GSがクロステストを攻める。野口さんはトゥアレグラリーに単独で参加するなど海外イベントの経験豊富なライダーなのだ

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かつてナポレオンを領主とした古都の夜。エルバ島はイタリア、フランスからの観光客で賑わうリゾート地。ヨットハーバーにはリッチマンたちの船が並び、その横をエンデューロバイクが駆け抜けていく



Text : Hisashi Haruki (BIG TANK)
Photo : Masanori Inagaki (ENDURO.J)


往年の6日間競技を再現した
ヒストリックエンデューロ

 イタリアのエルバ島といえば、モータースポーツ好きにとってはWRCの開催地としてのほうが通りがいいだろう。イタリア半島の西岸、トスカナーナ州のピオンビーノという小さな港町からフェリーでわずか60分。3万人ほどが暮らす小さな島だ。夏にはたくさんのリゾート客が押し寄せる観光の街でもある。1981年には、FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロが開催されているのだが、今回の3日間エンデューロは、それを記念したイベントである。当時を偲び、ヴィンテージエンデューロバイクの愛好家が再び同じパルクフェルメ(車両保管場所)に集い、当時を再現したエンデューロを楽しもうというものだ。参加するモーターサイクルは1986年までに製造されたもので、大きくコンペティションクラスと、ジェントルメンクラスという参加区分がある。コンペティションクラスは文字通り、競技として楽しむもので、1周60kmのフルコースを走り、その中で1周につき2つのタイムトライアル区間、クロステストとエンデューロテストというスペシャルテストをこなす。ジェントルメンクラスはスペシャルテストは走らず、コースの中で難しい部分は舗装路でショートカットするいわばツーリングとしての参加方法で、順位は競わない。ちなみにジェントルメンクラスは1989年製造までのモーターサイクルでの参加が認められている。

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