No.229より 「いにしえの砂漠王」 Time to Ride 大鶴義丹
高校生のとき、神奈川県は相模原の国道16号沿いにある「TREAD」というオフロードショップに出入りしていた。通っていた高校はその近くの町田市にあった。
同店を営むK社長はバハ1000などにも出場し、雑誌ガルルの誌面などにも指導者として出ていた。過激な泥系の走り屋がウヨウヨしている店の雰囲気で、記憶の限りでは常連の中では私が最年少であった。
店に通うきっかけとなったのは、同店から30分くらいの距離にあった、今は宮ヶ瀬湖の湖底に沈んでしまった丹沢林道、そこで知り合ったXL250Rを駆る林道暴走族の方の紹介だ。
当時はバブル前夜の雰囲気で、店に通う常連達は逆輸入マシンや外車オフロードマシンなどを派手に購入する大人達ばかりであった。高校生の乗るDT200Rなどはオモチャのようなものだが、同店が主催する林道ツーリングでは、タイトな林道の下りなどは高校生の身体能力を駆使して食らいついていた。また7分山くらいのモトクロスタイヤは幾らでも貰えたので、それを店先でDT200Rに組み付けて、そのまま丹沢林道に直行というような、昭和の大らかな風景である。
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