「ポーランド2004」連載　エンデューロ・シックスデイズ　1994～2006、ライダーの理想郷を探す旅 その9

インターナショナルシックスデイズエンデューロ。毎年、世界各国の持ち回りで開催される国代表チームによるチーム対抗戦。世界中のアマチュアライダーが目標にする、オフロードバイクの祭典でもある。華やかなモータースポーツのイメージとはかけ離れた、ストイックとも言えるこの競技のなにが人々をひきつけるのだろう。

隣の芝生は青く見える、というか…外国の文化を見る時、ついつい理想化、純化して見てしまうことがある。だが、現実世界の人間は、どこも似たり寄ったりで、醜いくい面だってあるのが当然だ。スポーツイベントでの暴力沙汰など醜悪そのものだ。

2004年　ポーランド　キェルツェ

　ご存知のように、オフロードレーシングが盛んなアメリカにあって、ISDEに国代表チームを送り込むということについては、ファンも協会のAMAもあまり強い関心を抱いてこなかった。前回、ブラジル大会編で登場した、カート・キャッセリとその父、リッチ・キャッセリらの取り組みは、この頃始まったばかりで、まだUSチームは弱体のまま。彼らが10年後に世界一の座につくなど、当時は想像もできなかった。