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孤高の競走魂 - tmレーシングとは、何か - エンデューロ日記 No.41

その小メーカーが製造しているのはレーシングマシンだけだ。頑なまでに追求するのは、ワールドレベルのコンペティションで通用する高性能。それをどんなユーザーにも分け隔てなく届ける。tmレーシングとは何か…。

Future7Media

先日、長野県で開催されたtmレーシングジャパンによるメディア試乗会に参加する機会を得た。そこに取材した記事は、改めて本誌にて掲載する予定だが、その予告として過去記事をもとにした、ブランド紹介的な記事をお届けする。。この特別なバイクを理解するために必要な基礎知識として。

Text : Hisashi Haruki
Images : Future7Media, Moto tm Pesaro Classic


その歴史。栄光の軌跡

イタリア、アドリア海に面した街、ペサロに
本拠を置くtmレーシングは、1977年、クラウディオ・フレンギとフランセスコ・バッティステリによって創業された会社だ。フレンギは、ヘネリで働いた経験があるエンジニアで、バッティステリは経験豊富なモトクロスライダー。この友人同士は、tmの設立以前には、他社製エンジンをオリジナルのシャーシに積んだモーターサイクルを製作していた。


Moto tm Pesaro Classic

会社設立の翌1978年には、ミラノショーにも出展。その年は200台のモトクロスバイクを製造、翌1979年に初めてエンデューロバイクをラインナップした。1987年には、世界選手権に格上げになる前のFIMヨーロッパエンデューロ選手権の125ccクラスで初めてタイトルを獲得(ダビデ・トロッリ)。翌1988年には、世界選手権、欧州選手権、そしてイタリア選手権の80ccクラスでジャンマルコ・ロッシがタイトルを獲得。tmは、すでにカートレーシングの世界で高い競争力を誇るエンジンサプライヤーとしての知名度が高いだけではなく、ロードレース用の小排気量エンジンの製造者としても知られるようになっており「レーシング2ストロークならtm」と言われるほどの存在になっていた。

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