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ジョセップ・ガルシアのトレイルツール - No.240より

どんなに困難な状況にあっても走り続け確実にパルクフェルメに戻ってくる。それがエンデューロライダーだとするならば、そのための道具選びはライダーの哲学を表現するものだ。

どんなタイプのレースでもトップ争いを演じる最強ライダーの一人、ジョセップ・ガルシアのツールバック拝見

Text : ENDURO21 Team
Photos : Nicki Martinez


理想のツールキット

エンデューロライダーのツールバッグ、またはバックパックには何が入っているべきなのか? 少し経験のあるライダーなら、それは常に関心事であるはずだ。例えば、ENDURO GPのチャンピオンで、ISDEのオーバーオールウイナー、そしてルーマニアクスやエルズベルグのような過酷なレースを「門外漢」でありながら軽々と完走してしまうジョセップ・ガルシアならどう考えているだろう。仲間と一緒にトレイルライドに出かける時でも、週末のレースに出場する時でも「何を持っているべきか」について悩んでいるはずだ。そして共通しているのは、工具箱を丸ごと持っていくわけにはいかない、ということだ。
 最初に学ばなければならないことは、まず、よく整備された調子の良いバイクを準備するということだ。トラブルは未然に防がれていなければならない。そのうえで、必要にして充分なツールとスペアパーツを携帯するということ。さまざまな準備をしておきながら、結局はツールを取り出す必要がなかった。それが理想なのだ。
 それらは、ENDURO GPでも、仲間とトレイルライドに出かける時でも変わらない。ジョセップ・ガルシアのバックパックの中身は、理想のツールキットとは何かを明らかにしてくれるだろうか。

ウエストバッグ無しでこれだけ収納できてしかも身体にフィットする


ガルシアのサバイバル哲学

重要なことは、ライディング中にどんなことが起こり得るかを想定できて、その状況から抜け出すために最低限何が必要かということを把握することだ。自分のバイクにはどの工具がフィットするのか、それはいくつかの機能を兼ね備えているものなのか。スペアパーツも厳選されていなければならない。過去に何が起きたのか、これから起き得るのかを自分または他人の経験から学ぶ必要がある。

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