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彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.7

モスクワが近づいた未明、道端でクラッシュしている赤いバギーを見つけた。ガストン・ライエのマシンだ。ライエは、飛び出してきた車をよけ、アイスバーンに乗った。まだ九月の最初だというのに。クラッシュ。マシンき大破してしまった。


著 / 山 田 徹

第二章 パリ・モスクワ・北京
其の二 世紀のラリー、スタート


いよいよスタートを迎えた。一九〇七年の「北京・巴里」から八五年。ユーラシア大陸パリと北京を繋ぐラリーがついにスタートを切った。
トロカデロのスタートポディウムではルネ・メッジと握手を交わした。日本人の姿も多く三菱商事の関係者たちであることがわかる。
夕暮れ時のスタートというのは初めての体験だ。街並みに明かりがともり始めるころ、というのも、悪くはない。日暮れにセーヌ川沿いを走り、ペルフェリック(首都高速)に乗った。そのままオートルートでベルギーに向かう。ブリュッセルにあるCPには午後十一時に到着、このあとは睡魔と闘いながら東へ向かう。

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