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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2023年12月の記事一覧

工具の世界 「第8回 整備を頼る」 No.248より

Text : 山田卓弥 プロの存在理由 工具の業界に身を置き長年にわたり工具の販売を行ってきまして「工具を販売する工具のプロ」だという自負はありますが──それでは実際に工具を使う作業、つまり整備の腕前もプロ並みなのかと言われれば全く違いまして。工具販売の仕事をしてますのでプロメカニックとも必然的に付き合いが多くなりますからプロの作業現場もたくさん見てきました。そのおかげもあって普通の人よりは少しだけ詳しいとはおもいますけど、ではプロ並みの作業が可能かと言われれば否なわけです

Roadbook 三橋淳 「デジタルか、紙か?」 No.248より

 2023年のダカールラリーの写真、だそうだ。私がダカールラリーを最後に走ったのは2016年。すでに8年も前の事だから、今のダカールラリーの写真を見せられても、コメントしようがない。ので、単純に解説するということになる。  本来なら2023年には紙のロードブックを廃止して、デジタル化されるはずだった。けれども、ライダーからの反対で延期になったという経緯がる。なんで反対したんだろ? みんなはどう思う? 紙の方が便利? 馴染みがあるから? 見やすい? 壊れたら困る? 日本では競技

TIME TO RIDE 大鶴義丹 「Door Of Adventure 秋の陣」 No.248より

 毎年楽しませて頂いている、人気コマ図ラリーイベント「DOOR OF ADVENTURE」の2023年秋の陣が行われた。  場所は福島県鮫川村で、ここでの開催はコロナ前から5年ぶり。当時私はアフリカツインで参加したのだが、福島の林道の奥深さに大感動した記憶が残っていた。この林道のボリュームと適度な難易度といい、福島と言うフィールドは東京からの距離を考えても、林道遊戯派には特筆すべきエリアだと思う。  昨今、本イベントの人気は凄まじく、参加チケットが初日ソールドアウトするほどに

Parc Ferme 「エンデューロのメカニックとは?」 No.248より

Image : ISDE France2022 - Future7Media Text : Hisashi Haruki  エンデューロという競技の起源は、モーターサイクルとそれに関連するイクイップメントの性能向上、そしてモーターサイクル操縦技術の鍛錬に資する「トライアル=試験」にある。その目的を現在まで継承していることから、他のモータースポーツとは違った特徴を持っている。その大きなもののひとつが、モーターサイクル固有の信頼性を問うものであること、同時に、それを操る選手本人

日高。2023 「ザ・クラシックエンデューロ」 No.248より

1984年に苫小牧市で開催されたITDEをその源流とする伝統の2日間競技がウイルス禍による休止を経て4年ぶりに開催された。レベルアップ著しい最高峰クラスから、一度は日高を、と目標にしてきたライダーまで、国内外から240名の選手が秋の日高山脈に集まった。 JAPAN ENDURO CHAMPIONSHIP R5 MFJ全日本エンデューロ選手権 第5戦 2023年9月15~17日 北海道日高町 Images : off1.jp, Akihisa Tsukada その歴史 日高

ヒダカ。「1989年以来の念願」- サイモン・ペヴィの場合 No.248より

Phoro : Satoru Ii ENDURO IN JAPAN - SIMON PAVEYサイモン・ペヴィ ラリー&アドベンチャーライダー。オーストラリア生れ、英国ウェールズ在住。ダカールラリーで8度完走。英国ヘアアンドハウンドチャンピオン。Off Road Skills Ltd主宰 ダカールライダー 私はダカールラリーを中心にラリーとアドベンチャーライディングに取り組んできました。ダカールでは8回完走しています。現在は、ラリーとオフロードスキルのためのスクールを運営

ヒダカ - ローレンス・ハッキングの場合 「情熱を共有すること」 No.248より

ENDURO IN JAPAN - LAWRENCE HACKING ローレンス・ハッキング カナダのモーターサイクルジャーナリスト。ISDEにはカナダ代表チームでの出場も含めて何度もシルバーメダルを受ける。カナダ人初のパリダカ完走者でもあるベテラン。ENDURO GPカナダ大会を2年続けて主催した経験を持つ「エンデューロマン」だ Image : Satoru Ii モーターサイクルの醍醐味 2016年に初めて参加して以来、3度目のHTDEになりました。毎回感じること

ヒダカ。スティーブ・パークの場合 「美しい国のエンデューロ」 No.248より

STEVE PARK カナダ・ブリティッシュコロンビア州 HTDEへの参加は2018年以来2度目。職業はデジタルマーケディングコンサルタント。アマチュアライダー。 Image : Satoru Ii 還るべき場所 初めてHTDEに参加したのは2018年で、実はこれが私にとって初めての本格的なエンデューロでした。日本のライダーもオーガナイザーも、本当に私たちを歓迎してくれていることがわかりましたし、レースは素晴らしく、このように美しい場所で、レべルの高いライダーたちと数日間

ジャンキー稲垣が走ったヒダカ 「語り継ぐべきもの」 No.248より

取材者として見続けてきたエンデューロ。ヒダカをライダーとして走る。稲垣正倫が体験した「初めてのヒダカ」、そのモノローグ。 <クレジット> Text : Masanori Inagaki Images : Satoru Ii 「何者か」になりたい 僕はいま42歳なのだけれど、だいたい10年ほど前にとある編集講座に1年ほど通っていたことがある。僕ら編集というのはなんとも説明しがたい職業で、ざっくり言うと材料を集めてきてなんらかの形にする人だ。雑誌編集なら、立てた企画に最良なカ