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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2021年1月の記事一覧

女性とモータースポーツ - ビクトリア・ヘットの場合 No.210より

ブリティッシュ・コロンビア(カナダ)出身、モントリオール在住。両親が経営する農場に育つ。現在はHusqvarnaモーターサイクル・カナダのマーケティング部門で重役を務める傍ら、エンデューロライディングを楽しむ日々。既婚。カナダ女性代表チームとしてISDEに3度出場。2010年メキシコ大会と2012年ドイツ大会でブロンズメダル、2014年アルゼンチン大会ではシルバーメダルを獲得した。カナダのEAST地区とWEST地区の総合で競われるエンデューロ選手権でチャンピオンになったほか、

No.210より 「国産ハードエンデューロ専用タイヤを生んだ情熱」

それまでのオフロードタイヤの常識を覆す製品は、エンデューロシーンに変革をもたらし、以降のタイヤ開発にも強い影響を与えた。代表的な製品であるiX-09W GEKKOTAは、当初、レースに参加するライダーのために試験的に販売を開始。のちに正式なプロダクトとしてリリースされた。 GEKKOTAを作った男達Interview 飯塚勧 井上ゴム工業株式会社 Text : 春木久史 Photo : ENDURO.J ―― それまでの常識では考えられなかった、極端に柔らかいコンパウン

女性とモータースポーツ - ニコル・ブラッドフォードの場合 No.210より

Women in Motorsportsと題した特集は、エンデューロやラリー、モトクロスといった世界で、女性が置かれている状況を知ろうとした企画だった。まずは、USAのエンデューロシーンで女性選手の活動をリードしてくたニコル・ブラッドフォードのインタビュー記事。 Nicole Bradford ニコル・ブラッドフォード 1972年6月17日 コロラド出身。国籍USA、既婚。2016年を最期にプロライダーとしての活動から引退、服飾メーカーのオーナー兼デザイナーとしてビジネス

連載 TIME TO RIDE  Vol.7 「ビッグマシンは酔狂か必然か」 大鶴義丹

 昭和から乗っているライダーにとっては「ビッグオフ」という響きが心地良いかもしれないが、昨今では「アドベンチャーマシン」という言葉の方が幅を利かせている感がある。  私は1984年からDT200Rで林道デビューといった、典型的な昭和系のオフ歴なのであるが、その当時の「ビッグオフ」といえば、85年に世間を騒がせたXR600が羨望のまとであったが、昭和の高校生にとってはスーパーカーに匹敵するようなものであった。DR500S、XT600なども、神奈川県の丹沢林道などで、たまにお金持

フェラーリの対極にある逸品のテブクロ - 便利なものはカッコ悪い

最近、ウィンタースポーツ界、特にバックカントリーをフィールドにするスポーツの界隈でクロージングの領域に浸食しているエイリアンがいる。 それがこの「防寒テムレス」である。 どうみても作業用のゴム手袋なのだが、いやたふん゛そういう目的で開発されたのだと思う。青のカラーリングは、どことなく水産業に従事するみなさんのいでたちを想起させる。いや実際、漁師やハマで仕事をする人たちに愛用されてきたゴム手袋の進化版なのだろう。

レゴラリータ - トシミツandカヨコのエッセイ - 「おい、写真なんか撮ってる場合じゃないぞ」

 チリ、チリ、チリ…もう朝になってしまいましたよ。目覚まし時計が朝を告げる。5時30分、まだ外は暗いし、暖房のないキャンパーは寒い。ガスコンロに火をつけ熱いコーヒーをゴクリ。車内もほんのり暖かみを感じられるのが嬉しい。ポットに紅茶を入れて準備万端。なんでもコーヒーよりも紅茶の方が体を暖めてくれる、とイギリス通の友人が教えてくれた。  この日は6日間で一番高度が高い2,070mの山越えルートにトライしてみることに決めていた。ジャリ道を朝食のパンをかじりながら、テクテク歩いて登る

連載 TIME TO RIDE  Vol.6 「エンデューロマシン曼荼羅」 大鶴義丹

 私のBETA RR2T200 2019モデルと(キャブ)を乗り比べる機会に恵まれた。場所は軽い山遊びができる難所と、比較的スピードの乗る林道である。  コアな本誌読者様に対して、今更tmレーシングの説明は「釈迦に説法」であるかもしれないが、イタリア中部、アドリア海沿いに本社工場がある、カートエンジンメーカーが始まりの元祖2スト屋さんである。よく言われるメーカーキャラクターは、オーダーメイドが可能で、ワークスマシンをそのまま販売してくれるという表現である。  250ccの2ス

これがハードエンデューロのチカラ - それは四国の採石場で起きた

そのロケーションはまさに四国のエルズベルグ。クロスミッションが目指すのは、単にコアなファンを満足させるためのレースではない。クレイジーなルックスが持つ本当のチカラとは何か? THE POWER OF HARD ENDURO CROSS MISSION 新居浜シコクベルグ 2020年10月25日 愛媛県新居浜市 西日本砕石(株) Text : Hisashi Haruki Images : Satoru Ii 今回、撮影はすべて伊井覚 ルーフに比べると余裕すぎたかもしれ

ファクトリーバイク - ENDURO GPチャンピオンマシン BETA RR 4T 350

スティーブ・ホルコムにとって初めての4ストロークマシンによるGP挑戦。彼とチームが選んだのはハンドリングに優れた350エンジンだった。 選択は正しかった 2015年にBeta Boano RacingのライダーとしてENDURO GPにデビューして以来、スティーブ・ホルコムの愛機はBetaの2ストローク300ccモデルで、2016年から続くENDURO GPタイトル、昨年だけはそれを逃しE3クラスのタイトルだけになってしまったが、そのパートナーもすべて300ccだった。

2ストインジェクション tm250 EN FI ESのテストライド

ファクトリーから直送される100% ENDURO GP仕様。それがtm Racingのエンデューロモデルだ。2ストロークエンジンのFI化にも成功してすでに2世代目へと熟成が進む。上陸したばかりのニューモデルを試乗した。 Text & Photos : Hisashi Haruki Rider : Tadao Ikeda 秋の北海道で思いっきり試乗。ライダーはベテランのテスター池田忠夫 ペサロの情熱 常に最先端のテクノロジーに挑戦し、その技術によって世界タイトルを目指し、

ダカール2021 お茶の間観戦スペシャル-2 「スタート直前まで公開されないロードブックとは」

このロードブックはAER2020のものです 2019年、南米での最後のラリーまで、ロードブック(コマ図)は、前日に配布されていましたが、2020年から毎朝のスタートの直前に配布されるようになりました。2021年も、スタートの20分前になってやっと、ライダーはその日のロードブックを手にすることができることになります。 これは、ラリーの競技性を、よりナビゲーション技術を重視したものにするのと同時に、公平性を担保するための方策でもあると、主催者はコメントしています。 その

ダカール2021 お茶の間観戦スペシャル-1 「トビー・プライスとはどんなライダーか」

2021年、サウジアラビアでの2度目のダカールがスタートした。プロローグの翌日から本格的なステージが始まり、2輪では、トビー・プライス(KTM)がステージ優勝。 Image : Future7Media トビー・土ライスは、オーストラリアのエンデ―ロ出身ライダー。2015年のダカールに市販車KTMで出場していきなり総合3位、翌年はファクトリーチームに抜擢され、これも位総合優勝! トビー・プライスとは何者か。 詳しくは登録して続きをご覧ください。

ファクトリーマシン - TM RACING EN250 FI ES

エンジニアは明言する。「私たちは貸借対照表を持っていません」。すべてを注ぎ込んで生み出される一台。ジュニアとE1の連続タイトル。ヴェローナとともに世界一の栄冠を勝ち取ったtm Racingのファクトリーミサイルは、間違いなく「100%市販車」だった。 Photo : Future7Media Andrea Belluschi ヴェローナは4ストローク250マシンで2年続けてENDURO GPのタイトルを獲得したのだ 飽くなき情熱 伝説は1976年に始まった。幼馴染だった

バイクを走らせるのはガソリンではない - BIGTANK noteオンライン読者のみなさまに新年のご挨拶

近い将来に石油で走るバイクも自動車もなくなってしまう。その時、ぼくたちの大切にしているモータースポーツはどうなるんだろう。そんな不安を口にすることがあります。ぼくは、そんなに心配していません。 春木久史