播磨屋

<タクドラ日記>タクシー運転手の給与


No.0005

2014年4月19日

タクドラの給与というのはご存知のように歩合制です。
営業収入、業界では略して「営収」と言いますが、営収に対して何%の歩率になるかは会社によって違います。また、営収が低ければ歩率は低くなり営収が高ければ歩率も高くなります。僕の営収は一応トップクラスなので60%、歩率が多い会社では65%を出す会社もあります。先日他のタクシー会社のタクドラさんと話をしていたら、「ウチの会社は65%だからウチに来ませんか?」とスカウトされましたが、会社が羽田近くと遠いのでお断りしました。でも、どうしようかなぁ〜? 交通費も全額出すって言っていたのでちょっと魅力です。笑

僕の場合、税抜き営収で時間当り3000円を目指します。60%なので時給1,800円。1回の乗務で20時間は働きますので、20 x 3000円で60,000円が目標の数字です。メーター表示は税込みなので消費税5%の時は3,150円稼げば良かったのですが、8%になると3,240円稼がないと目標には達成しません。但し、20時間のうち休憩しなければいけない時間が規則上3時間ありますので、実際の乗務時間は17時間。なので、60,000円稼ぐ為には税抜きで3,529円、税込みだと3,811円稼がなければなりません。毎日80,000円以上稼いでくる運転手もいますので決して不可能な数字ではないのですが、結局、時給をあげる為には(内緒で)休憩時間を減らす事が一番近道なってしまうのがタクドラの現実です。

一日60,000円稼ぐと歩率60%で自分の取り分は、36,000円。月11日乗務の時は、396,000円。MAXで13日乗務の場合は、468,000円です。これは額面の金額なので手取りというと40万未満という事になります。他社では営収100万を超える運転手も少なくなく、その場合は額面60万以上の給与となります。年収で800万近くというのがタクドラとしてのトップクラスという事になりますね。そう言う意味では、僕はまだまだミドルクラスです。まぁ、タクドラ経験1年未満では相当頑張っている方だと思いますけど。

これで年金が貰えるようになると、この収入にプラスして年金が入るのでそれなりに良い収入になりますね。50過ぎから転職して70過ぎまで働ける職業としては、健康であればそれなりに稼ぎの良い仕事ということになりますが、残念ながら殆どの人が入社後半年以内に耐えきれずに辞めていきます。それだけ色々な意味で厳しい職業とも言えます。その厳しさについてはいづれちゃんと書きましょう。

以前デイトレーダーをしていた時は、ワンクリック数分で儲けは数十万なんていうのが普通にありましたから、タクドラの仕事っていうのはホリエモン的に言えば0に1を足していく地道な仕事と言えます。730円のお客さんを足していって一日60,000円を達成するのはホントに地味で忍耐力が必要ですが、終電を過ぎるとご褒美が待っていますので粘れば何とかなるもんです。人生何でも粘り! 諦めたら終りですから。笑

目標の数字を遮るものは、なんと言っても空車の時の渋滞。当然の事ながらタクドラは渋滞の可能性のある道を好みません。それにホテル等に付け待ちして30分待ってワンメなんて事になるとその日の営収はぐっと落ちてしまいます。付け待ちというのはリスクの高い賭けなのですが、「流し」で拾えない時間帯や場所では仕方がないのです。付け待ち時間を休憩時間としてカウントするという抜け道は、効率的な休みの取り方になるので僕の場合も適度にホテルで付け待ちして休憩時間を消化します。

上記のような事情がありますので長時間付け待ちしている車には短距離のお客さんは乗らない方が営業妨害にならないで親切なのかと思いますね。
でも、東京駅や渋谷駅で長蛇の列に並んでいるタクシーを見ると、「こいつらバッカじゃねぇ〜の」と思ってしまいます。考えない運転手が多いのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?