川崎フロンターレVS浦和レッズ 感想
試合前、川崎フロンターレはコロナ陽性者が複数人出てしまった。
試合の開催自体危ぶまれたが、当日予定通り試合実施のアナウンスが出された。
フロンターレのメンバー発表を見た瞬間目を疑った。
通常、交代要員としてベンチ入りできる人数は7人。
しかし発表されたメンバーには5人しかいなかった。
しかも5人のうち3人がゴールキーパーでフィールドプレーヤーの交代要員は2人しかいない。
ゴールキーパーは怪我以外でほぼ交代しないとすると、2人しか変えることができない。
交代枠は5人あるのにもかかわらずだ。
ただでさえサッカーは交代枠を使い切って常にフレッシュな選手で戦うものなのに、夏場の試合でこれはとても厳しい。
しかもメンバーにそれだけしか揃わないということは練習もまともにできなかったのであろう。
そんなどうみても厳しい状態でも私はフロンターレの勝利を信じていた。
こういう逆境もフロンターレの精神力、気持ちが上回っていれば跳ね返せると思っていた。
しかしその現実は甘くなく結果は1-3での敗戦。
出場したメンバーはもちろん気合も入っていたし、人数は少ないながらも実力のあるメンバーは揃っていた。
今回の結果は単純に対戦相手の浦和レッズが強かった。
ただそれだけだと思う。
レッズの選手たちも当然フロンターレの状況は分かっていた。
レッズからすると相手がこのような状況だとチャンスとみて油断するかもしれない。
私はむしろそうなれば気持ちで勝てると思い、油断してくれと期待した。
しかし選手入場の時点でその期待は持てないと悟った。
入場の際のレッズの選手たちの気合の入った顔。
そして何より浦和レッズサポーターが作り出すスタジアムの雰囲気がそれを許さなかった。
スタジアムを赤で染め上げるサポーターたち。
テレビの画面からでもその異様な圧力のようなものは感じられた。
相手の事情がどうあれこのサポーターたちの前ではレッズの選手は気の抜けたプレーはできないであろう。
その姿勢は試合直後から見え、開始4分で失点するまでフロンターレはまともに敵陣へボールを運べなかった。
これがサポーターたちが作り出す埼玉スタジアムの圧力かと思った。
特にそれが顕著に現れたシーンがある。
そのシーンはフロンターレの3失点目。
82分家長がPKで得点し1点差に詰め寄る。
これでフロンターレは追いつけるという勢いが、レッズは追いつかれるという危機感が漂った。
その3分後、レッズの選手がディフェンスに阻まれながらもドリブルで突進してきた。
ボールがラインを割りそうになりフロンターレのディフェンス陣たちは足を一瞬止めてしまった。
しかし、ドリブルしてきたレッズの選手は諦めずボールに追いつきラインを割るギリギリでボールを中へ折り返した。
そこへ信じて走り込んだもう一人のレッズの選手が押し込み3点目を決められた。
この最後まで諦めない姿勢は紛れもなくサポーターの応援が、埼玉スタジアムの圧力が後押ししたものであろく。
足を止めたフロンターレと最後まで諦めなかったレッズ。
あの一瞬だけは気持ちの面で負けてしまっていた。
3失点目を喫し、時間的にもほぼ敗北が決まった瞬間でもあった。
それでもフロンターレは最後まで攻め続けた。
プライド、出れない仲間達のため、なにより応援してくれるサポーターのため。
肉体も精神も限界の状態でも戦い抜く姿には心を打たれた。
ああ、これだからフロンターレの応援は辞められないんだよな。
試合としては本当に悔しい結果だった。
けれども私の中ではフロンターレを応援する想いが増した試合でもあった。
次節のリーグ戦は首位横浜F・マリノスとの大一番。
3連覇を目指すためには勝利しか許されない一戦。
チームでは今も陽性者が増えていて、どのような状態で試合を迎えるかは分からない。
それでもフロンターレは必ず勝利を目指して懸命に戦うだろう。
その一助となるべくこちらも全力で応援していきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?