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【マッチレビュー】勝って兜の緒を締めよ〜川崎フロンターレVSガンバ大阪〜

試合前プレビューはこちら。

試合結果


久々のクリーンシートによる大勝。
試合早々にガンバ大阪が退場により10人になった影響が大きかったとはいえまさに圧倒した試合となった。

11対11の試合は10分間だけなので分析は難しいものもあるが、今節も試合のキーポイントを自分なりに言語化していきたい。

キーポイント①:本職を並べたスタメン

今節のスタメンは左サイドバックに佐々木旭、アンカーに橘田、左ウイングにマルシーニョといった面々が並んだ。
私はここ最近のレビューのたびに適材適所の人選をしてほしいと訴えていたが、久しぶりに私の希望のスタメンを見れた。

各ポジションに本職の選手が並びチーム全体としてやりやすかったということは試合の入りからも見てとれた。

序盤からプレスもしっかりと連動していて選手の距離感も良い。
先制点の場面はチャナティップが一人剥がしてから浮き玉を相手のディフェンスラインの裏へ通し、裏に抜けたマルシーニョがアウトサイドでダイレクトでゴール前へ流しレアンドロダミアンでフィニッシュという流れるような攻撃だった。

あのフライスルーパスをあそこから出せるのはチャナティップだし、スピードで相手を置いていきそのままアウトで出せるのはマルシーニョではなくてはできない。

逆にいうとチャナティップがウイングに張っていてはチャンスの演出は難しいし、遠野や知念など左ウイングに適性がない選手ではチャンスをものにできない。

あの先制点はまさに選手の強みを最大限に活かした結果に思えた。

逆にあれだけ圧倒した前半だったが、後半追加点を取れなかったのは選手の特徴を出しきれなかったことが大きいと思う。

確かに後半は相手ゴールキーパーの東口が当たっていたというのもあるし、前半時点よりも試合終了後の方がボール支配率、シュート数も増えている。(下のスタッツを参照)

しかし、ボール支配率が増えたのは相手がこの暑さ、中二日でほぼ10人で戦った事による疲労と、これ以上失点せず割り切って引いた守備からのカウンター戦術に変えたことが大きい。
実際、シュート数は多くなっているが後半枠内シュートは2しかない。
前半は枠内シュートが8本中の8本というところを見るといかに決定機を作り出せなかったかが分かる。

キーポイント②:登里の復帰

チーム1の古株にしてムードメーカー、登里の復帰。
今回の結果にかなり影響を与えたと私は思っている。

試合前のアップに入る際登里が各選手と談笑している姿が見え、不調のチームとは思えないほど選手たちがリラックスしているように思えた。
序盤の先制点、相手の退場の影響もあったが久しぶりに選手たちが楽しそうに試合をしている様子が見れたのは、登里がいい雰囲気をもたらせたのではないかと思える。

また、手薄だった左サイドバックに登里が戻ったことにより佐々木を右サイドバックで使うことができた。
このことにより控えがいなかったためフル出場をし続けていた右サイドバックの山根を休ませる余裕が生まれた。

復帰戦の登里自体のパフォーマンスはまだ本調子とは言えないように見えたが、ここから徐々に調子を戻していけば両サイドバックの選手層の問題が解消することができる。

ただでさえ消耗の激しいサイドバックというポジションの層を厚くできることはここからの夏場の戦いにかなりの朗報と言える。

キーポイント③:リスク管理

今節、複数得点以上に無失点で試合を終わらせられたことにとても価値があると思っている。

相手は10人になったとは言え相手にはパトリックというただのクリアボールをゴールへ結び付けられる強力なフォワードがいた。

パトリックがいるからこそガンバ大阪は後半は引いてカウンター狙いという戦法にでた。
しかし結果は枠内シュートは2、後半に至っては一度もシュートすら打つことができなかった。

数的有利、しかも前半で4点差という状況になるとどうしても油断が生じそうだが、キャプテンの谷口と車屋の両センターバックを中心にチーム全体常にリスク管理を徹底していた。

前節の反省を活かし無駄にファウルを与えずセットプレーのチャンスを作らせることもなかった。

チーム全体の守備としては完璧な内容だったと思える。

勝って兜の緒を締めよ

試合の総括としては、プレビューで不安視していた鬼木監督、大島の不在を感じさせない試合となった。

しかし、大勝したとは言え相手はほぼ10人で日程的にもこちらが有利だったことを考えると参考程度にしかならない。

大勝といえどたかが1試合、まだ首位とは勝ち点6の差がある。

この勝利を浮上のきっかけとすべく、次節の名古屋グランパス戦に臨んでほしい。

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