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Unity未経験のDJが1ヶ月後にVR DJした話

こんにちわ、札幌を拠点にDJ/作曲家として活動するBIGHEADです

今回のnoteは6月28日に開催された世界7ヶ国21人のDJがインターネット配信するイベント「Anikura Unison 2」に参加した経緯をまとめた記事になります

「プログラム経験の無いDJがVR空間で音楽配信するためにUnityをInstallしDJする」というチャレンジングな内容になってますので「これから仮想空間でDJしたい!」当日youtubeやtwich等でイベントを視聴してくださった方など一読頂けましたら幸いです。

経緯としてはAnikura Unisonさんから5月頃にオファーを頂いて参加することだけを返信し、どのような形態でDJ配信するかは決めてませんでした。おぼろげに「VR空間でDJしたい」というのは頭にありましたが....無事参加できたから言える事ですが「納期やイベントを決めてしまって、実行していく」というやり方は未経験の事を実現するには有効な方法だと感じました。

では、どのようにVR空間でDJしたかを記していきます。

1.Unityのインストール

Virtual RealltyでDJをする際には既存のプラットフォームを利用する方法が便利で障壁も少なく今年の5月にClusterさんでDJ イベントを開催しました。VR chatでもイベントが開催されておりVR DJは盛り上がりを見せています。

今回はtwitchの著作権規約が変わったり、自分所有の原盤のみでセットリストを作る必要があると感じたのでプラットフォームでは無い場所でVR DJすることに決めました。※Clusterさんは著作権については処理できるのですが原盤権は個別に許諾を取る必要があり、VR chatは処理の方法がわからず...今後のためにもUnity上で実現する必要がありました

そこでUnity。Unity上でステージを作りVJ素材を流しながらDJする。
一行で簡単に書いてしまいましたが、プログラム経験も無いDJがUnityをインストールして一から実現できるのか?!

できるわけがない。そんな甘いものじゃ無い。

結果的には実現できましたが、運の要素もあったり...無料でノウハウを記事にしてくれてる方、Assetやエフェクトを作り販売してくださった方のお陰としか良いようがありません。今まで自分が活動してきた音楽制作とは別業種過ぎてUnity鬱になりました。

そんな大変な思いをすると思っていなかった時期のツイート

5月21日にインストールして、6月28日イベント。やはり怖いです。



2.DJステージをAsset購入

3Dモデリングの技術は無いのでステージはUnity Assete Storeで購入。
めちゃめちゃカッコいいステージがあったのでこちらをインポート。

後ろのLEDやイメージと違うAssetを抜いて、DJステージの後ろにVJ用のモニターを配置して完成!ここまでは楽しかった記憶があります。「イケんじゃん!」ってなってました。「オリジナルのステージを作らねば!」という気持ちがあったらとしたら1秒でプロジェクト中止だったと思います。


3.カメラワーク「Pegasus」+「Camera Switcher」

滑らかなカメラワークがシンプルで作りやすくなるTool「Pegasus」

DJ配信が増えてきた2020年。DJをネット配信する時にカメラワークが重要だと感じていました。それはリアルの人間をカメラで写す場合でも、VR空間でアバターを撮影する時でも。4台以上のカメラをスイッチャーするのは必須だと思っていたので、カメラワークを自由に動かせるPegasusと、切り替えられるCamera Switcherは最適でした。Pegasusは高価ですが、これからも使用機会が多そうでProcedural Worldsさんには感謝しています。

個人的にカメラワークへのこだわりに配信のやる気を感じとります。
・ポジティブに新しい音楽体験・表現を模索するか
・リアルライブの繋ぎ・代替に配信しているか

4.モーションキャプチャー「Glycon」

ここがキツかった。Unity鬱になるパート。
お金も時間も一番浪費しました.....
VirtualMotionCapture
Final IK
VR Mocap Studio
Live Animation
様々なソフトや方法を試しまくり。

「遅延が無い」
「手の向きや、肘、膝がおかしくならない」
「Unityで動作・インポートできる」

特に「遅延が無い」動きにしたかったので、悩みました。
遅延さえ気にしなければ、上記の四つは素晴らしかったです。
最終的に自分の環境にあっていたのは「GLYCON – VR INSTANT MOCAP

トラッカーが出てこなかったり、モーションが保存できなかったり、操作ができなくなったり、いろいろありましたがモーションの完成度が高かったので大満足。自分の動きがVR上に再現されてテンションが上がりました。

ちょっと涙が出ながらDJしてた時も。



5.VR機器HMD

書く順番としては一番最初だったかもしれません。。。
自分が使ったVR機器。

vive cosmos elite
tracker 3個 (右足、左足、腰)

足のトラッカー認識が外れやすく、部屋を綺麗にしてベースステーションの場所を調整したら改善しました。今後はベースステーションを2.0にして四つ使用、手の指を動かせるようにValve Indexにしたいと思ってます(どんだけお金かかるんだ....)

VRヘッドマウントが家に来てから1ヶ月。未来的な特別な物では無くなりました。外出できなくなった時代を一緒に戦う武器って感じです。


6.アバターインポート「UniVRM」

Unity上で自分のアバターを動かす際に、さまざまな形式がありプログラムや3Dの知識皆無な自分は混乱を極めました。

アバターの形式:VRM,FBX,PMX,MMD
モーションの形式:VDM,FBX,VBH,Anim

わけわかんねえ!

今回は色々試しましたが、結果だけ。
・Glycon mocapでFBX形式のモーションを収録。
・VRM形式のアバターをUniVRMでUnityにインポート。
・FBX形式のモーションデータをMMD4MecanimでAnimに変換。
・Animをアバターにアタッチ。
・再生→動いた!!!!!!!!!!!!!!!

マジで大変でした。でも苦労のかいもあってMMDのミクさんも自分の部屋でモーションを録って動かせるようになったので今後も新しい表現ができると思います。アバターのRigをHumanoidに変更してモーションを変換するとか....知らねえよ!って何度も投げ出しそうになりました。

7.VJ

VJはFinalCutで素材を作りました。
enbato marketなどでVJ loopを購入して曲のイメージに合わせていく。
VJは比較的ストレスも少なく、楽しい作業です。

スクリーンショット 2020-07-02 17.51.29

自分は作曲家なのでVJ素材を作る時間もスキルも無いので、お金がかかります。ただ、今ままで曲ごとにMVやLryic Movieを作っていたのでそちらをインポートすると曲の世界観も再現できたり過去の自分に助けられてる感じでもあります。


8.音響「RELIVE | Overloud」


自分はDJでもあり、音楽クリエイターでもあるのでDJ配信の音響にも拘りがあります。DJ配信などで音楽ファイルをそのまま再生すると会場の鳴りや、反響が無いので臨場感を付与するソフトを使いました。Overloud社のRELIVE

RELIVEAdd a live vibe to your studio recordingsoverloud.com

フェスや大きな空間での鳴りやウーファーの超低音をエミュレートするプラグインで、個人的にはDJ配信には欠かせないです。リバーブや教会などの反響は音楽体験の興奮度を左右する要素なので、ぜひお試しください!

わかりにくい部分ではありますが、DJ配信が視聴者・出演者にとって楽しいものになるように工夫をしています。DJ配信をライブの代替や繋ぎとしてではなく、新しい音楽体験の場としてポジティブに模索していきたいと思います。


9.本番 Anikura Unison 2

前日ギリギリに撮影を終え、Anikura Unison2運営に動画素材をお渡し完了。
マジで焦った。
予定をブッ飛ばせない状況にもっていくのは大事ですね。

Anikura Unison2 さんのサーバーに接続して、リアルタイムで動画を送信する方法も事前にセットアップしていたのですがネット接続が切れたりする心配があったり、音質も画質も高品質で届けたかったので動画を再生してもらいました。

生配信。ライブ配信。といっても何秒かのバッファがあるので厳密には同時接続とは言えず、音声などの双方向性も無いので現状動画再生も同じに感じています。

唯一の双方向性のチャット....それは存分に楽しませていただきました。自分のオリジナル曲「WHERE ARE YOU FROM?」という曲があり、その曲をプレイしてる時に視聴者さんの国をチャットコメントで教えてもらうのですが、色々な国名・都市名がコメントされて感動しました。

世界と繋がってる感覚があって、家から配信してるけど興奮しました。配信でも、ライブじゃ無くても、心は動きます。

寄付も$4000を超える金額が集まり、3000人以上に視聴頂けて大成功だったのではないでしょうか。自分としては最高のイベントに参加させて頂いた!!!!という思いでいっぱいでした。

DJしたときと同じような....というかそれ以上の達成感がありました。札幌の家から配信した動画を3000人に観てもらうという体験はなかなかないですから。


今後もパワーアップしたVR DJコンテンツを作っていきますので、引き続き視聴のほどよろしくお願いいたします!最後に当日初めてプレイした楽曲を載せておきます。



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