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日本語教師日記180.日本語教師の時間配分(3)みんな頑張っています

日本語教師の時間配分という話題で、今日も続きです。

自由時間がたくさんあるのは、火曜日と水曜日です。
昼前に終わる日は、バスや電車に乗って出かけますが、家にいることのほうが多いです。

そういうときに、集中してテストやドリルを作り、言葉カードの整理をします。これはあっという間に時間が経ちますし、やっておくと後々楽になるので、割とまじめにやります。

レッスンとその準備が終わると、その日やりたいことからしていって、掃除などは後回しにしてしまうため、夫の帰宅時に家の中が綺麗だと言うことは、たまにしかありません。
時間のある日は、読書したり、生ごみコンポストの天地返しをしたり、塩麹を作ったり、糠床をかき混ぜたりすることができます。

それに対して忙しいのは木曜日で、もともと5つレッスンがあるところへ、その週にポツポツ申し込まれる振替レッスンが入ってくるので、つめつめのスケジュールになります。
以前は、日曜日の午後から「明日から仕事」と思うと憂鬱になりましたが、最近は水曜日の夜から「明日は木曜日か」と思い始めます。


ある木曜日。

6時半に起きてリーマン親父弁当を作り、自分も朝食。
スクワットをし、新聞を読み、時間になると 姿勢を良くするクッションと飲み物を持って仕事部屋に行き、教材やタブレットのセッティングをします。

8:30〜9:00。
小さな頃から教えている子供くん生徒です。
私より背の低かった頃は、飽きさせないようにということでいろいろ教材を作りました。今は彼の興味の範囲が広がり、毎日の生活であった出来事を、ほぼ日本語だけで話してくれます。
私の一番若い生徒です。

この後の10分間の休み時間で、飲み物を補給します。

9:10〜10:10は、夫婦で習ってくれているカップルのご主人の方です。
上級者の奥様に追いつこうというので、熱心に取り組んでくれています。
「龍が如く」のファンで、英語字幕のないものを奥様と一緒にやっていて、面白い質問も多いです。

「先生、舎弟ってなんですか?」

ーーえ、舎弟・・ファミリーの中で、自分の後輩ですね。
子分とは違います。親分子分はわかりますね?
やくざの先輩後輩が、兄貴と舎弟ですが、
舎弟から「兄貴〜」と呼びかけるけれども、
兄貴が「舎弟〜」と言うことはありません。
たぶんね。

このあとまた10分の休憩です。
レッスン時間を過ぎて終わることがほとんどで、ボトルに水を足すぐらいしかできません。

10:15〜11:15は、10年以上教えている上級者です。
清水義範の短編集「永遠のジャック&ベティ」を読み進み、今は「ナサニエルとフローレッタ」。
この本自体、出版が古いので、当時どんな世相だったかも感じられて、読んでいてとても面白いです。

この後、45分空くので、早めの昼ごはんを食べます。
お弁当のおかずの横流しと、玄米ご飯にお味噌汁のワンパターンです。
この長い休みがあって、疲れてきたのが回復できます。

12:00〜13:00は、日本で昔出会って教えていて、アメリカに帰国してからも続けてくれている生徒です。
来年また 日本赴任だそうなので、ロールプレイをたくさん作って練習しています。

「すみません、これは幡ヶ谷で停まりますか」
「いいえ、停まりません。次の普通に乗ってください」

実践的な会話を多く学んでもらっています。
結構忘れていますね。
実践に入るとまた上手になるでしょう。

15:00開始の人は、日本にJETプログラムで来ている若者です。
毎日生徒たちとの会話があり、めきめき上手になっています。

木曜日の生徒は以上の五人ですが、最後の生徒の前後に振替レッスンが入ります。
この時間に飛び込んでくるのは、時差の少ない香港や上海の人、日本在住の人。
コロナ以降、在宅ワークの人が増えたので、こういうことができます。

私にとってのレッスン時間の始まりは朝7時または8時からで、遅くても午後6時には終わりますが、アメリカに住んでいる生徒たちにとっては、全員、学校や仕事の後で疲れています。
私がドキュメントに入力しているあいだ、こっそりあくびをしているのが視野の隅に入ります。
それまで我慢しているのがわかり、褒めたくなります。

眠いのに頑張っているんだなぁと、いつも感心しています。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。