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エッセイ357. 好みが変わっていた話−1.香りの章

私は居職であり、家で何かしていることが好きなので、ジムのついでにスーパーに行くぐらいしか平日の行動はありません。
でも、気が向くと、雑駁ざっぱに顔を洗った後、昔 夫がどこかの免税店で買ってきた古い香水をつけたりします。香水も消費期限はあると思うのですが、気にせず使います。ボトルもところどころ、錆びていたりします。
古すぎますが、それがシャネルの5番です。

マリリン・モンローがインタビューで、寝るときに着るものはなんですかと訊かれて、
「シャネルの5番を数滴」
と答えたのが、伝説ではなく事実だったと証明されたそうです。
そのエピソードが夫の頭にあって、その香りを知りたくて、買ってみたのだと思います。私も知りたかったので嬉しかったです。
で、つけてみて、いい香りだなと思ったのですが、甘くて濃厚で、自分には合わないと思っていました。
たまにつけようというときは、よく香水の付け方で指導されるように、空中に散布して、その下を通り過ぎる、という用い方をしていました。
でもそれだと本当に、犬ぐらいにしか、つけていることをわかってもらえないのでした。(犬に訊いたことはないけれど、たぶんそう)

若かりし頃は、シトラス系の香りが好きで、自分で買うときはそう書いてあるものを、お店で手に取って、試し嗅ぎをして買っていました。当時はムスクとかローズの香りは、素敵だけれど、「むん〜❤️」としていて(いい意味で)、私のような人生のペイペイなど、申し訳なくて手が出ないと思っていました。

それが、数年前から妙〜に好きになり、ふと気がついたら、シャネルの5番に手が伸びる朝がありの、シャンプー・コンディショナーなども薔薇の香りのものに揃っていたのでした。
神代植物公園に行っても、写真を撮ったら必ず一生懸命香りを嗅いでいます。

この、濃厚な方への好みのシフトを考えてみると、自分の中の女性ホルモンが激減し、セルフネイルをしてみた指も、かっぱえびせんのような感じになってきていて、全体に水分が足りなくなっている。その私の中の女性性が、「いんや、まだまだ!」と叫んで、甘い濃厚な香りをつい、求めるようになったのではないかと思いついたのですが、どう思われますか?

もうちょっと前は、もうちょっと何かと頑張る気があり、お恥ずかしいのですが、コロコロと顔の上を走らせるキラキラしたローラーを買ってしまったこともあります。最近では、顔はさわればさわるほどよくない説があり、あのローラーも、よくないもののうちの一つに数えられていますのでやめましたが、今はそういう器具があっても到底追いつかない、あれやこれやの顔になっています。
新聞のチラシによく入ってくる基礎化粧品の宣伝で、

この方は何歳に見えますか?!
なんと、75歳です!

というようなものがありますが、写真で微笑んでいるみなさん、本当にお綺麗で感心します。
そういうところへかける情熱がなくなりつつ、ローズの香りにときどき囲まれている、実に中途半端な今です。

次、音楽の好みについて書きます。


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