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日本語教師日記97 .オンラインの会話の問題(1)話し始めがお互いぶつかる件 など

今日はオンラインレッスンならではのいろいろを書きます。

2020年春、リモート・ワークが広がってきていた頃、外国人学生が入国できなくなって困った日本語教師のグループで、しばらくオンラインレッスンの学習会をしていました。

私はそれまでずっとSkypeとHongoutsを使ってきまして、zoomに興味を持っていたことから、参加させてもらいました。

普段 2台のiPadを使っていて、不自由はありませんでしたが、
zoomでいろいろできることを知り、新鮮でした。

ただ、今でもiPadではそうなのですが、Skypeでもzoomでも、画面共有ができないですね。しようとすると、画面の録画をする設定に行き、それは製作者側のデザインフォルトで、画面共有ができるように改善中なのだそうです。

私は全てプライベートレッスンですので、自分にできること・できないことは相手に説明し、助けてくれるのなら喜んでお願いしていますので、とりあえずは困っていません。
画面共有で言いますと、相手が100%やってくれます。
また、検索したものはURLで送れますし、実際に見せたいものは、
ちゃちゃっと紙に描いてカメラに近づけるという原始的なことでもいいので、とりあえずは困っていません。


できなそうに思える発音矯正も十分できます。
(あまり発音にこだわる人は少ないのですが、発音だけの授業もあります)

例えばこんな感じです。
どうしても日本語の「ラ行」が Rになってしまう人の発音を直しましたた。

A:ゆっくり 「らりるれろ 」と言ってみて下さい。
B: rah~ree~roo~ray~roh
A:Bさんの舌は今、口の真ん中あたりで浮かんでいませんでしたか?
      それが1センチ幅で行ったり来たりしていませんでしたかね。
B:え?  rah...ree....先生、本当です。
A:それは多分、R の音ですね。
     舌を尖らせて、上の前歯の後ろに一瞬くっつけてから離してみましょう。
B:はい。・・・  lah, lea...loo....lay....low...
A: Bさん、今度は L でした。
       Lovely lady living in London と、ゆっくり言ってみて下さい。
B: はい。Lovely lady living in London.
A:   全部、舌が前に向かって強く滑ってきていませんでしたか?
       あなたの舌の先が歯の間から見えそうです。
B: あれっ、そうですね!
A: この絵を見て下さい。日本語の「らりるれろ」は、
        舌の先は細めに、軽く口の天井に触れます。
        前歯の裏の口の天井、1センチぐらい奥を、
        下の先で、 一瞬軽く叩いて、すぐに奥に逃げ込んで行ってほしいのです。
B: ええ〜・・・ら・り・る・れ・ろ。
A:できてますよ。
B:できてますね!
A:よかったですね。

日本語学習者も、私たちが英語のとLに苦労するのと逆方向に、
日本語の「ら行」に苦労していますが、オンラインでも矯正は十分可能です。

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オンライン授業を始める前は、

ウェブカメラ・・・とかなんとかいうのを買わないといけないのか。
板書もできないのに、どうすればいいんだろう。
接続障害が生じたらどうしたら。
そんなときは、授業料は返すのだろうか。

などと、クヨクヨ悩んでいてなかなか始められませんでしたが、
案ずるより生むが易しでした。

慣れとはありがたいもので、すぐに、相手の話すのと自分の話すのがぶつかる、という、よくあるあれは制御できるようになりました。

そうその、話始めがぶつかる件です。
前述の、毎回10人ほど集まる日本語教師のオンライン勉強会。
実際にオンラインレッスンをしていたのは、私一人でした。

このときに、三つの大きなことに気づきました。

1)話し始めが複数の人の間でぶつかる。
2)感情の上で誤解が生じることがある。
3)一人ばかりが話している。

今日は、1)の、話始めがぶつかりあう件について書いて、終わりにしますね。


1)話し始めがぶつかり合う問題。
オンライン特有の、ほんの少しの遅れが生じることに慣れていないと、複数の人が同時に話し、「あ、どうぞ!」となることが多い。
そして、お互いに遠慮して、また同時に「あ、どうぞ!」と言い、
お互いが「相手からそう言われ、相手にそう言ってもいる」ことになるので、
再び、二人同時に待ってしまいます。
今度は空白が生まれます。
それに気づいて、「あ、話していいのか」と思って話し出すと、
それがまたぶつかって、また、
「あ、すいません」「あ、どうぞどうぞ」
となります。
仕事でzoomミーティングが多いと言う生徒たちに聞いてみますと、これがとても、スムースな会話の妨げになるのだそうです。
これはなんとかして、お互いに、例えば話し終わったらコンマ5秒ぐらいは空け合う、ということを共通認識にしないと、なかなか解決できないと思いますね。


続きます。

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