日本語教師日記その7. 遅い と ゆっくり について
今日は、遅い と ゆっくり についてです。
直接法でクラスで教える場合、情報量には気をつけます。
あれもこれもと伝えたくなりますが、
生徒は全てを書き取ってくれるわけではありません。
家に帰った生徒が、うろ覚えの部分を辞書で引きますと、
一つの言葉について、いくつもの訳が載っており、
余計混乱します。
このゆっくりと 遅いも、学校のクラスなら、
一つのレッスンの中で教えることはあまりないと思います。
ただ、これは違いがはっきりしていますし、
使い分けができれば便利ですので、こんなふうに教えています。
以下はインスタグラムに上げたものを、
加筆訂正してご紹介させていただくものです。
ゆっくり 対 おそい
のんびり・遅い(スピード)・遅い(タイミング)
その違いは?
使い分け方は ?
ゆっくり の使い方も見ていきましょう。
P.1
最初に知っていただきたいのは、
遅い には 二つの意味があると言うことです。
漢字と発音は同じですが、
速さについて、「遅い」のと、
スタートが「遅い」、タイミングでの「遅い」です。
覚えやすいですよ、だって、「遅く」歩けば、「遅く」着くでしょう?
例文です。
・彼は走るのが遅い。
・彼女の家の晩御飯はいつも遅い。
比べたら 違いがはっきりわかりますね。
P2
「遅い」の使われ方の特徴としては、
中立的に使われるときと(良くも悪くもない)
マイナスの要素が入って使われる時とある、ということです。
マイナス的には:
遅いわねえ、さっさと食べなさい。(スピードがのろい)
遅いよ! 何してたの? バス、行っちゃったよ。
(着くタイミングが遅かった)
ですね。
どうやら、出発・到着が遅いのは、基本的に良いことではないらしい。
では、同じ遅いのでも、いい感じの言葉ってないんでしょうか?
実はあるんですよ。
「ゆっくり」がそれです。
P3.
「ゆっくり」って いい言葉です。
例文を読んでもらうと、「ゆっくり」の肝がわかると思います。
A:すみません、もうすぐ着きます。
B:いいよ、ゆっくり来て。
・素敵なカフェで ゆっくり本を読んだ。
・時間はあるから、ゆっくり食べてください。
p4
私たちの社会では、どうも、
はやくはやく!
と言ってしまうことが多いようです。
「ゆっくり」をもっと 度々使える場面を増やしたいですね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。