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日本語教師日記87.時効かな?(5)すいっと切り返す

以前から「時効かな?」として、ちょっとやってしまった系のことを書いています。
若かったなぁと思うことが多いです。
若いし、学校から派遣されているのでしくじりたくなく、その色気が働いて、
小さな頭を忙しく動かして、気をつけてものを言っていました。

ところが最近、個性の強い生徒にもまれ、その辺がだいぶ自由になってきました。

昔なら、生徒に言い返すなど論外。
教えてお金をいただいているのですから、リクエストはたいてい受け入れ、
クレームには頭を下げ、ということをしていたのですが、この頃はそうばかりでもありません。

あと何回ちゃんとご飯が食べられるかと思うと、いい加減なものが食べたくなくなったのと同時に、あとでもやつかないように、言うべきところでは言っておくということが、少しはできるようになったのです。

ある日、とてもきちんと整理整頓をしたい生徒が言いました。
以下は、セミ時効案件です。2年ぐらい前かな?

生徒:先生、ドキュメントのタイトルはこのようにつけて、
           それをGoogleドライブに入れて行ってください。

私:はい わかりました。ちょっと待ってくださいね。
       え〜と、AppSoreに行きまして、と・・・。グーグルドライブ・・、
       あ、昔ダウンロードしていました。
        ・・・開けます。
       私使ってないので、よくわからないかもしれません。

生徒:これこれこのように、してください。

私:できませんねぇ。
       これって、自動的に今使っているのが吸い込まれますか?

生徒:ですから、これこれ、これこれしてから、これしてください。

(だいぶ前なので具体的に何を言われたかは忘れています)

私:ごめんなさい、どうも私、できないです。

生徒:ですから、・・・・・してみてください。しましたか?

私:しましたけど、できません。

生徒:ですから・・・・・しましたか?

私:Aさん。ちょっとお待ちください。
       これをやっていると、あなたのレッスンの時間がもったいないので、
       あとで自分でやってください。

生徒:はい?

私:好きな方法で、あとでゆっくりお願いします。
        あなたと私と、今やっても後でやっても、同じ?

生徒:あ、はい、同じです。

私:じゃ、君があとでやってくださいな! はいレッスンレッスン!


ちょっと前まで、このぐらいのことさえ言えず、その場で謝り、夫が帰ってくるのを待ち構えて教えてもらっていました。


もう一人は、時効案件です。
その人はいつもネット接続が悪く、
今日はスマホだからドキュメントが見られないとか、
画像が・音声が悪いのは、先生の方の問題じゃないですか?
と言うことの多い方でした。
食べ飲みしながらとか、ベッドで寝転んで、も多かったです。
その方が習ったことが頭に入るのなら私は全然構いません。
自分はそれはするまいと思うだけです。

こちらは仕事ですので、普段から充電マックスのデバイス3台用意して、
チェックも怠らずやっています。
それでもうまくいかず、会議ツールの間を、
生徒と手に手を取って渡り歩くことも、たまにはあります。
でも、「私の方は問題ないので、あなたの方ではないですか?」
みたいな、言っても仕方のないことは言いません。

ただ、約束した日時、その1時間を共にするだけではありますが、
その時間を大事にするもしないも、人それぞれです。
私は丁寧にやって、楽しく終えたい方です。

前述のこの方がよく、間違いを訂正すると、
「そう言いましたけど?」とおっしゃるのでした。
もともと声が小さくて聞き取りにくい人でしたが、
あるところまで私は、自分の耳が悪いのかなと思って、
「そうですか。ごめんなさいね」
と言っていました。

だけど、いつもそれでもどうなのかと思うに至りました。

私:もう一度言ってください。

彼女:今言いました。

私:そうですか。
聞こえませんでした。
これからは、もっと大きく話しましょう。
あなたの声の小ささだと、間違ってもわからないし、
発音を直すこともできません。

このように、言い方を変えました。
ごめんなさいは抜きです。事実ですので。

この彼女は、そういうやりとりを全く気にしません。
根に持たない人というのは、いいですね。
この彼女とのやりとりを通して、
あまり悩まず、すいっと切り返すことができるようになりました。

レッスン日時を定めず、やりたいときに連絡してくる人でしたが、

彼女:明日、夜の7時半は空いていますか?
私:残念ながら空いていません。
彼女:わかりました。

これだけで、感情的な夾雑物はありません。
(私は、せっかく言って来てくれたので悪いなぁと実は思っています)

この彼女に揉まれて半年、すごくいいことがありました。
毎日のように送信する、スケジュール調整のメッセージが短くなったのです。
事務連絡なので、謝罪やお詫びなどは、極力カットした方が、実は読みやすくていいと気づいたのでした。
今までの私は無駄に長々と書いてしまっていたのでした。
少し前のメッセージを見ると、長いです!
みんな、我慢してくれていたのかしら😭

もちろん、相手のメッセージが「おしゃべりな感じ」だったら、合わせます。
でも、仕事の連絡は、必要十分を満たし、簡潔なのが一番ですね。

いくつになっても、まだまだ学ぶことがたくさんありました。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。