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エッセイその26. 意外に職人肌だった件(下)


小さい頃、私の好きだったのは、玄関の土間に釘を打ち込むこと。
それから、廃材から、釘抜きを使って釘を抜くことと、
ノコギリで板を引くこと、木材にペンキを塗ること、
また、目覚まし時計を分解して、組み立てることでした。
そういうことが、下手でも好きなのだと思います。

憂鬱な気分の続くコロナの毎日。
借家をもう少し居心地よくと考えて、台所の壁にシートを貼り、
次にやってみたのは、借家のトイレの床のリメイクでした。

さすがにそれは防水であってほしく、また 剥がれては困るし、
毎日使う場所ですので、あまり安っぽいものは使いたくありません。

そこで、ネットで探して、3500円ぐらいだったかな、
セシールの「トイレフロアリメークシート」を取り寄せました。

全体が4つに切れており、トイレットボウルのあるところは、
しっかりと切れ目が入っています。
トップの写真ですね。
これを全部、材料を買うところから手作りでやる人もいますが、
そこまでの器用さはありませんので、市販に頼りました。

最初に、掃除用具その他を全部取り出して、
トイレの床全体と、トイレそのものをピカピカに掃除しました。
これをやっておいて本当によかったです。
床に埃があると、きちんと接着できませんし、
張り込み作業中は、床に寝る部分もあり(自分が)、
トイレットボウルに抱きつかんばかりの勢いで接触しますので、
掃除したてでないと、とても悲しい感じになってしまったでしょう。

ちなみにこの先、○器を連発することになるので、
トイレットボウル、と言い換えさせていただきます。
すかしているわけではないので、お許しください。

まず、前回の記事のトップ写真に(間違って)使いましたが、
セシールから届いたパッケージを開けて広げてみますと、
たくさん折り目のついたシートが出てきます。
ロールではないので当然ですが、一瞬、心配になります。

説明書によると、①番から貼っていくのですが、それは左上。
しかし困った、トイレットボウルの左側は、
ウォシュレットのホース、コントロールパネル、
及び水洗の機構に使う金属パイプで混み合っており
どう考えても、普通にしゃがむとか、ひざまづくとか、
そういうことのできるスペースがありません。

こういう感じです。

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一目見て、

むむ無理っ!!

仕方ない、蓋をしたトイレに寝て思い切り両手を伸ばしましたが、
ほんの少しだけ、腕が短すぎて、床に届きません。

次に、向かって左側の壁とトイレットボウルの間に
背中を壁につけてぺたんと座ってから、横倒れになってみましたが、
当たり前ですが、右手は右側についているので、
左手だけでは、全く何も、できません、座っているだけ😩・・。

うぬ! と 立ち上がり、壁とトイレットボウルの間の隙間に、
上からチャレンジしてみましたが、
ウォシュレットのコントロールパネルに阻まれ、
ホースやパイプにも阻まれ、全く床に届きません。

え〜い、こうなったら。

私は泣く泣く、トイレの床に寝て、匍匐前進しました。
当然ですが途中でどこかが、つかえます。
そのままじーっとしていても どうにもならないので、
この無理な姿勢のまま、じりじりと、
箱根細工のピースになったつもりで、尚もねじねじともがき、
斜めな変な格好のまま、お腹はぺたりと床につけ、
無理無理に這い込みますと、どうやら両手が床に届きました。
これは体の小さい私しかできない作業でした。

いけると確認してから一旦退却をし、折り目だらけのシートを手にします。
広げてから、縦半分に外表に折り返し、裏フィルムを途中まで剥がします。
シートがあちこちに貼り付こうとするのをだましだまし、
左上端の床の角にそっと滑らせ、
またウォシュレットのコントロールパネルの下に這い進みました。

とても、とても悲しい。
映画「ショーシャンクの空に」の主人公が、
これだけは嫌でもしなければならぬ、トイレの排水溝にダイブしますが、
そのときの彼の気持ちが、よくわかりました。

でも他に、チョイスはありません。

狭い隙間に、謎な角度で体を押し込みまして、

むっき〜!🙉🙉🙉!

と内心で叫びながら、少しずつシートを貼っていきます。
最初に、まっすぐであるところの側壁にシートを合わせますが、
少し、壁側に1mm弱ぐらいかかるようにしないと、
どんどんずれていって、隙間ができてしまいます。
何度か冷や汗をかきながら貼り直し、
ようやくまあまあ、シートを固定できたので、
クレカを使って、シュタ、シュタ、シュタ、
としごきながら貼ると、なかなかうまくいきます。
次は、②であるところの右奥です。
なんて広いんだろうここは。
と感激しながら貼り終えました。
それから大きく切れ目の入っている部分を
トイレットボウルの下端に合わせて扱きつつ、
カッターとハサミで余分を切り取ります。

③は左下になりますが、近頃のトイレ事情からか、
長さがたっぷりあります。
戸口のところの床が無意味にガクガクの形になっており、
しかたない、他の紙を使って型紙を取り、
それをシートに貼ってギザギザを写し取りまして、
ハサミとカッターで切り取ります。
それから、裏フィルムを剥がして、
最初に戸口のガクガクと、シートに移したガクガクを、
なるべくずれないように貼り、次には側壁に合わせて貼り、
空気のなるべく入らないように、クレカでしゅたしゅたします。

最後④、右下を貼り終えたところで、

レ・ミゼラブル!!😱

よく見れば、③の長さが足りず、貼り切れていない部分が。
仕方ない、余ったシートをまた採寸し、
横向きに貼って誤魔化しました。




トイレは、掃除しにくいという特性のため、
一生懸命それ専用のモップなどを買い、
しっかり掃除する人と、私のように、
とりあえず見えないところ、奥の、手の届かないところは、
ある、あるんだけども、ないってことでよろしく、
と、手抜き掃除する人に大きくふたつに分かれます。

今回、生まれ変わったトイレをつくづく眺めました。


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う〜む。
思ったより以上に、安っぽくはない気がします。
100均にトイレリメイクシートが見つからないのももっとも哉。
(あるのかも知れませんが)

で、掃除しにくい→手抜き コースより、せっかくここまで来たのだから、
極力物を少なくして、奥の奥までしょっちゅう掃除をすれば
なんだかこの感動をずっと胸に抱いていけそうではありませんか。

それで、我が家は前から、先端の紙ブラシを、
掃除ごとに流してしまうトイレブラシ、その先端、
トイレスタンプ君とその詰め替え用、
非常用のミニブラシだけがあったのですが、
段ボールに詰めて、奥の方に押し込みました。
写真の右奥に、チラッと見えるのがそれです。
とても すっきりしました。

床にはこれまで、消臭スプレー、予備のペーペーホルダー
ペーパーの芯用のミニゴミ箱もあったのですが、
これらも全て撤去しました。

ペーパーの芯は、取り替えた人が持って出れば良いし、
予備のペーパーは3つもあれば良いでしょう。
それで、こういう窓際になりました。


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この日以来、トイレにあっていい色は、白・緑・ベージュに決まりました。
どれも好きな色なので、運気が(あ、いや、洒落ではなく)
上がりそうな気がするんですけど、その点どう思われますか?

次はキッチンの床か、ぶつけて角が欠けてきた階段のふち、
などを、どうにかしようかなと考えているところです。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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