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エッセイ501.「寅に翼」第10週第48話ー障子と風呂敷包み

「寅と翼」第10週第48話

布団に入ってから、寅子は日本国憲法を読み続けます。
腹這いで読んでいる寅子のそばには、娘の優未ちゃんが遊んでいます。

この子は朝の連続ドラマ小説の前々作の「らんまん」で、万太郎と寿恵子の長女の園ちゃんを演じた天才赤ちゃん子役です。

大成して欲しい。
おばちゃんが応援しています。
お役に立てることは、全くないけれど。


で、今日もさすが、と思ったのは、「寅と翼」の丁寧な作り方。

障子が、きちんとしていました。

昔は、障子を開けるときに指を掛ける、細長い金属が、框(かまち)に埋めこまれてないことがありました。

そういう障子の場合は、ちょうど障子の、指を掛けたい場所の一つの枡(ます)というか四角い部分に、障子紙が反対側から貼ってあります。
言葉で伝わるでしょうか。
写真をご覧くださいね。



障子の桟は2cmぐらいの幅があり、障子紙を貼るのはもちろん片側なのですが、四角のうちのひとつだけ、あっちから張るので、こっちから見ると、その一枡は、桟の幅だけ引っ込んでいて、指を掛けられるわけです。

そして、薄い紙だから光を通しますが、その部分だけちょっと変わった紙の貼り方をしてあります。
薄暗くても少しの光があれば、どこが引っ込んでいるか一見でわかるのです。
日本人の知恵です。

私は障子の張り替えが結構好きですが、たまに張り替えをしていた実家の障子は、手をかける部分があるもの、一方、祖母の古い家は、寅子の家と同じ作りの障子でした。

寅に翼、細かくていいですね。
その他、寅子が戦中戦後着ているモンペは、娘時代によく来ていた着物のリメイクのようです。
昔はファストファッションがないから大変です。

寅子の、今は違いますが、以前うなじから外巻きに固く巻いてヘアピンで止めていたヘアスタイルは、「鉄兜」というものだそうです。
それは高齢の叔母などが、そんな話をよくしていたのをぼんやり覚えています。違っていたら申し訳ないので検索してみましたが、画像や説明はヒットしませんでした。

さて、こんなに細かくて素晴らしい丁寧な作り方をしている「寅と翼」ですが、
一つ気になることがありました。

法科の大学に通っているときの寅子は、和装に風呂敷包み。
いつも抱えているその包みはその形からすると、大中小の本を下から大きい順に重ねて風呂敷包みにして持ち歩いていたのだと思います。
六法全書も入っていたかもしれませんね。

それが、寅子が走る時、胸の前に抱えているのですが、見たところ、

軽い。

寅子と共に、左右に揺れています。
重くなさそうというか、持った手と一緒に左右に揺れると言う感じ。

もしかして。

もしかしてですけど、本当の本は大変なので、お菓子の箱などを包んでいたのではありますまいか。

一度そう思ってしまうとそれが脳裏を離れなくなり、寅子が3冊分ぐらいの本を包んだような包みを持って走り出すと、身を乗り出すように見る習慣がついてしまいました。

でも、でもですよ?
大中小のお菓子の空き箱を、スタッフに呼びかけて持ってきてもらったり、呼びかけたのに家にお菓子の空き箱がない人ばかりだとしたら。自腹でお菓子を買って、食べてから持ってきて、本のように包む、ということより、普通に3冊の本を用意して包んだほうが、全然簡単ですよね。
これはあれだな、なんとかして朝ドラ制作にかかわっている人とお友達になって、訊いてみるしかありませんよね。
ああ、忙しいのにまたタスクが・・。

そうそう、雲野法律事務所に通うようになると、寅子は洋装ですので、
以降は寅子の風呂敷包みを見ると正座して乗り出す、ということを、止めることができました。
よかったです。


・・・なんか私も、どうでもいいことでいろいろ、大変ですよね。

焼き鳥の鶏肉の間が空いている、とかね。

明日は、おとといぐらいにふと気づき、今日の放送分で見事に解決されたことについて、書いてみたいと思います。




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