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エッセイその18. 私の妄想とトランプ氏の巻(1)

人のお国のことではありますが、トランプ大統領。
なんだかもう、とっちらかってしまって、謎です。

追い詰められているし、面子も大事だし、
大統領を辞めると  途端にいろいろ訴えられてしまうそうですし、
これは必死にならないわけにいかないようです。


トランプさんからは、ほっとけと言われると思いますが、
私もひまなので、いろいろ考えています。

若い頃の一時期、歌舞伎にはまっていたのですが、
特に、河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ)さんという戯作者の、
悪党が活躍するお芝居が大好きでした。
(何を言い出したんだ、と思われるでしょうが、
あとでちゃんと繋がりますので、ご辛抱ください)

黙阿弥に限らないのですが、歌舞伎のお芝居には、
悪者が主人公のものがたくさんあります。

主人公は、殺したり盗んだり犯したり、
散々めちゃくちゃをやりますが、やっぱり最後には、悪党の末路。

御用だ御用だ!

と言いながら追いかけて来る捕手に囲まれてしまいます。

血刀を後ろ手に振り回して、迫り来る捕手を追い散らしつつ、
舞台上手の方から下手のほうへ、よろけつつ逃げていきます。

そのときに、こんなことを言います。

「どうせ最期は木の空だ!」

つまり、こんだけ悪いことをしてきた俺だ、
どうせ最期は、捕まって磔(はりつけ)になるのはわかっている。
覚悟はできてるんだ、と、強がりみたいなことを言うわけです。

で、どう続くかっていうと、

「どいつもこいつも、抱いて行くからそう思え!」

って言うのです。

地獄に落ちるときは一人では死なぬ、
貴様らを道連れにしてやるから、覚悟しろよ!

そんなことを言われたら捕手だって、
仕事とは言いながら、いやぁ〜な気分になりますよね。

それまでは、観ているこっちも応援していた悪党なんですけど、
この潔さの欠如した言い方で、気持ちがさーっと冷めます。
やっぱり小悪党はだめだねぇ、と思うわけです。


私は、今のトランプさんの諦めの悪さを見聞きすると、
ついこの、どいつもこいつも、を思い出すんですね。


唯一、提灯記事を書いてくれていた、
というか、書かせていたのかなあれは、
あの、Foxニュースともやってますね。

Twitterで、

「フォックスニュースの昼間の視聴率は最悪だ。週末はもっとひどい。
誰のおかげであそこまでなれたと思ってるんだ」

というような趣旨のことを言っているそうです。

握ったものを離さず、世界の顰蹙を買っている彼。
日を追うごとに、その やけくその度合いも深まっているようです。

あの人は、はっきりと物を言わず、
聞いた人が、好きなように解釈して行動するような、
示唆というか、ほのめかしで、人を煽るのが天才的なのだそうです。

煽られて、投票所に押しかけ、銃をチラつかせたり、
人を威嚇するような人は、不満がたまっていて、
きっかけが、その一押しがほしい。
待ってましたと、喜んで煽られるわけですよね。


来年1月20日になっても、彼がホワイトハウスに居座っていると、
期日が来るまで 彼に仕えていたシークレットサービスの人たちが、
くるりと向き直って、彼の両脇を抱えて外へ運び出すことになるそうです。

テレビ育ちの彼のことだから、そういうカッコ悪いことはしないだろう、
と言われているそうですが、いやいや、どうかな。

どいつもこいつも抱いて行くからそう思え

みたいなことになっているような 気がしてなりません。

しかし大国の、ほぼ半数の人が彼を支持し、
バイデン氏勝利に激怒している人も多数いるわけで、
それもまた、アメリカ全体にとって、辛いことですよね.

「自分が虫唾の走るほど嫌いな人を支持しているクラスメート」が、
1クラス42人のうち、21人ぐらいいて、毎日を暮らしている。
そんな感じなのでしょうか。

親族の間でさえ、政治の話ができなくなっているそうです。
そんな息苦しい世の中にしてしまった責任は大きいです。


続きます。


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