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エッセイ67.私に近い六人の他人(6)ジョージ・ハリスン

私のよく知っている人と関係の深い人が、
ジョージ・ハリソンと話したことがある。
というか、話しかけられたことがあるというお話です。

私の生徒の一人で、ロンドンが実家の人がいます。
その妹さんが、ビートルズの大ファンだったそうです。

デビュー後間もないビートルズが、ロンドン郊外で、
短期間一緒に住んでいたことがありました。

妹さんはある日、自転車でだったかな、
その家に行ってみたそうです。
そんな近くに住んでいたら、私でも行くと思います。

そこで、メンバーの誰かが出てくるのを待っていたところ、
ジョージが外に出てきたそうです。

彼女が見つめているのに気がついたジョージが、

Oh, bugger  off....  

と言ったのですって。

Bugger off というのは、イギリスの人が言うことだそうですが、

立ち去る・さっと立ち去る・消える

という意味で、さらっと言えたらかっこいいスラングだそうです。

本気で怒って「消え失せろ」と言ったのではないと思います。

ビートルズの面々にしてみたら、
目をキラキラさせた女子が外でずっと待ち構えている生活ですよね。

この日もまた、そうでした。

で、

はぁもう・・勘弁してよ😩

みたいな感じで言ったのでは、と想像します。

「ぼそっと」言ったということなので。


私は、ジョンとポールが同点一位的に好きで、
次に、その弟分みたいに思えるジョージ。
リンゴは「・・リンゴだな」という位置付けです。

ジョージ作の曲で、有名で、愛されているのは

Something

While my guitar gently weeps

Here comes the sun

あたりだと思います。

でも私が好きなのは、

“素敵なダンス”

“I need you”

です。

ちょっと肺活量があまりなさそうな、
風に飛ばされそうな細さのジョージらしい、
頼りない感じの歌声が好きなのでした。


ビートルズの中で最も思索的・哲学的な人と言われたジョージ。

彼についての映画、

リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

は、絶賛する人がたくさんいる一方、

長い・・・

と言っているレビューも見まして、
私はまだ見たことがありません。

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でも、レビューの中で初めて、以下を知りました。


「キリストの生涯をパロった不届きな映画!ということで世界中のキリスト教圏で抑圧され、
どの製作会社もタッチしたがらなかったモンティ・パイソンの問題作『ライフ・オヴ・ブライアン』の制作費を工面するために、
自分の家を担保に入れて(!)までハンドメイド・フィルム(J・ハリスンが立ち上げた映画制作会社)を創立し、
映画の制作費全てを担ってくれたのがジョージだったんだ。
あの時ジョージが名乗り出てくれなかったら、あの映画は実現すらしていなかった。
(テリー・ギリアム)」。


「ライフ・オブ・ブライアン」はとても面白いです。
が、例えば熱心なクリスチャンである義母とは、
とてもじゃないですが、一緒には見られない系です。

あの面白さを愛で、入れ込んだ・・ということで、
ジョージをすごく近く感じます。

58歳。早すぎる旅立ちでした。

ついでのようであれですが、
「ライフ・オブ・ブライアン」、おすすめです。

ジョージを好きな人も知らない人も、
よかったら見てください。

今日はこの辺で・・


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