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エッセイ373.映画。岸辺露伴と、ルーブルに行った話(下)

続きです。
今回もネタバレというより、最後まで書きたいことを書いてしまいますので、
これからこの映画を観る方は、今日もここで・・・




大丈夫でしょうか。

では・・。


さて、みんなが楽しみにしていたルーヴル。
これが思ったほどには出てこなくて、肩透かしでした。
すごくお金を払わないと、あまり撮影させてくれないのかもしれませんね。

最後の45分ぐらいは、たくさんの人が出てきて大混雑です。

黒い絵を見たために、甲冑を着た幽霊が出てきて、自分で惑乱して、そう高くもない階段の手すりから落ちて、亡くなってしまう学芸員の方。
打ちどころが悪かったのでしょう。
日本で始まった怨みの連鎖に、とりあえず関係ないので、お気の毒でした。
子供のことがトラウマになっている、この人の同僚の女性。
この人は口から池の水を噴き出すぐらいで済み、よかったです。
にやけてるけど、結構悪いことをやってきた日本から来た学芸員。
その子分になっている、消防士の二人組。
登場人物多すぎ感があります。
こうなるともう、どっちを向いていたらいいのか。
目まぐるしいのです。
それがにぎやかで良いのかもしれません。

「模写されたフェルメールの絵」というのが出てきますが、
どう見てもあまりフェルメールっぽくない。
頭巾を被った女の絵だからフェルメールと思え、
と言われている感じもしましたが、それは無理でした。

そうこうするうちに、ヒロインが急に、幻の中では、
モナ・リザになっていたりします。
ここはルーヴルですということを示すために、
モナリザと、「サモトラケのニケ」も出てきます。
それはいいから、もっともっといろいろなルーヴルの部屋を見たかったです。

さて、説得力に乏しい小さな場面の積み重ねで、なんとなく収拾つかない感じになってきたころ、みんなでドタバタ騒いでいる「開かずの間」みたいな倉庫に、急に日本人のゾンビみたいなのが出てきます。

え?
え?
だれ?

この人、死んでいるだけに、せっかくの露伴の
「ヘブンズ・ドアー」
も通用せず、露伴をどんどん追いかけてきて、斧で切りかかります。

「もうだめだ、殺されるぅ〜!」

となったときに、急にこのお化けの後ろから、あの謎の美女が、今度は着物姿で出てきて、お化けを羽交締めにしてくれます。
かなりの力持ちです。

やれ嬉しやと思っていたら、急に、このお化けと美女の話になります。


あのお化けは、生きている時には、江戸時代の絵師の息子で、
力持ちの謎の美女と夫婦になったのでした。
その絵師の息子を高橋一生が急に、ちょんまげをかぶって出てきて、演じます。

え、江戸時代なの?
 高橋一生なの?
ちょ、ま・・・

と思ったのは私だけではありますまい。

高橋一生はこの人たちの子孫だったのです。

ここから、それだけで45分ドラマが作れそうなシーンが延々と続きます。

高橋一生演じるところの絵師は、奥様によると、

「わたくしの黒髪を大層でられて・・」

ということで、夫は一生懸命それを描く。
奥様もポーズを取ってモデルになったり、櫛で髪を梳かして、その美しさを存分に見せてくれるのですが、残念ながらその黒髪が、明らかにヅラ。
艶がなく、引っ張ったらすぐ脱げそうです。
現代に蘇って、若き露伴を翻弄するのも、この人なのですが、そのときのポニテもヅラだった。そういえば、翻弄するんだけど、この女性は露伴の先祖。そこは突っ込まないとしても、黒髪の美しさが重要なポイントですので、腰ぐらいまで髪の長い女優さんをオーディションで選び、本当につやつやの、天使の輪ができる髪を振り回して演じてほしかったです。

まとめ。
私は高橋一生さんが大好きで、突っ込みながら見るのも面白かったです。
万人にお勧めできるかどうかはやや微妙ですが、ドラマの方のファンでいらしたら、きっと楽しめることでしょう。

私にとってこの映画はほぼコメディで、どうしてもくすっ笑ってしまうことが多く、そういう意味でもなかなかよかったです。

ただ、エンドロールが流れているのに立ち上がって出ていく人がいたのと、
エレベーターの中で、
長い
と言っている人が多いのは気がつきました。

以上です。

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