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エッセイ353.遊びに行こう(7)上野

私には休みの日というのがないのですが、レッスンのキャンセルが重なると、半日とか、ときにはほとんど一日、休日になることがあります。

前によく行っていた、ということを忘れている場所がありますよね。
私などは12年近くも東京を離れていたので、
そういうところを急に、ぽ?! と思い出したりします。

そうすると、これ以上変わってしまう前に一度挨拶しておくか、
という気分になります。
久々に行ってみたら、無くなくなっていた、なんていうこともありますし。


今日は、湯島にあるトンカツ屋さん、「井泉」に行く気になりました。

休みがなかなかないので、いろいろ盛り上げてしまいがちです。

まず、自転車で最寄駅Aに行き、サボりがちなジムでちょっと運動をしました。
えらいな自分。

義務を果たし、そして、いよいよ遊びに出かけます。

「井泉」は最寄駅Bから乗り換えなしで行けるので、自転車で自宅を通り越し、
更に一生懸命漕いで、B駅まで行きました。

湯島の駅の2番出口から出てすぐの井泉。
お、さすがに平日の1時過ぎ、いつもの行列がないではありませんか。



と、喜んだのも束の間。


まさかの。



ちらっと考えないではなかったのです。
定休日調べとかないとな、と。
もう大丈夫、忘れません。

これです。


あああ〜・・・やってしまった😩😮‍💨

それにしても、日祝祭日のLO、もっと早く終わってもいいんでない?

で。

・・・さあランチをどうする。
たまにしか出かけないので、なにか美味しいものが食べたい。

アメ横の方に行くとそれなりに飲食店も多いのですが、
この好天では、なんだか外で食べたい気分になります。

どうしようかと考えながら ぶらぶら歩いていたら、
上野の鈴本演芸場と、お江戸上野広小路亭を通り過ぎました。

昼席は、両寄席とも、もう始まっています。
もう予約はしなくてもいいらしいです。
どうせ入るなら、最初から見たいしなぁ・・。
思いつきで出てくるので、いいなぁと思っても入れません。
これも、先の楽しみにしました。

動物園に向かう途中、ファミマに入ったら、アナウンスで

「ファミマでお弁当を買って、上野公園で食べませんか」

というようなことを言っています。

いいね!

いい考えだと思って、いろいろ買ったのですが、
ファミチキも買ったのですが・・

なんか・・・上野公園て、座って食べるようなところ、ないですね。
ファミマもその辺を言って欲しかった。

でも食べる。


これは、清水観音堂へ行く階段の真下の四角い石。
ここに座って食べましたが、

お堂の階段を降りてくる人も、右から来る人も左から来る人も、
私をちらっと見ていく人が多かったです。

このおばさん何やってるんだろう、あ、お弁当食べてるのか。

とか、やっぱり思われたり、したのでしょうか。

まいっか。


上野公園入園料・一般は600円。
昔は300円だった時があったような気がします。

今まで数回、夫と上野まで来て、上野動物園にも入りたかったのですが、
それは全て土日祝日だったので、切符売り場から長い列があり、
園内の混雑も思いやられ、見送っていました。

私は、上野動物園ではハシビロコウさえ見られればいいので、

平日に時間ができたら、井泉でとんかつを食べ、
上野動物園へ行って、ハシビロコウを見るのだ!

とだいぶ前から決めていました。
軽く思い詰めていたのでした。

こんなふうに先に楽しみがあるって、いいですよね。


上野動物園は、昔 来たときに比べると、いろいろ変わっていました。

緑の木々が高く育ち、動物のいるところも、狭いには違いありませんが、
いろいろレノベが施されていました。
人間が小さい窓から覗くようになっているものが、多かったです。


また、
「・・・・は今お休みしています」
となっている空のところも多くて、これは動物の繁殖とか子育てとか、
季節によって塩梅しているのだと思います。

昔はそんなことはなく、

毛玉のできちゃった身体でだるそうに寝そべっているライオン

・・・などがいて、胸が詰まることが多かった。

今はそうではない。
ベストコンディションのお姿だけ、拝めるらしい。
これはいい変化だと思います。


一番何も気にしていない感じを受けたのが、猿山の日本猿です。
スペースも広いですし、勝手に楽しくやっているように見えました。

葉っぱのついた枝を引きずってうろうろしている子、
その枝にちょっかいを出すのがいて、喧嘩になったり。
猿の体重計・・であることを知らずに腰掛けて、
8kg
とか表示が出て、見ているこちらが勝手にやんややんやとなったり、
お互いにグルーミングし合って楽しそうだったり、
何も心配ない小猿が、おかんの膝の上にひっくり返っていたり。
ほんと、見飽きませんでした。
一番長く見ていたかもしれません。
月に一度ぐらい、ここの猿になりたいかも。

さて、今の上野動物園は、カフェや無料休憩所が充実しています。
手ぶらで来て、そういうところに入ってもいいし、ベンチもピクニックテーブルもたくさんあるので、持ち込んでゆっくりしてもいいでしょうね。
ほら、今やテイクアウトで美味しいものって、いくらでもありますから。
園内でビールも出しているので、ビールやワインも持ち込めそうだし。
でも、昼飲みって、この歳だとコタエルんですよね。
やらないと思う・・・。

平日で空いていましたので、本当に園内は気持ち良かったです。
猿山の前のピクニックテーブルでうっぷして、20分寝ました。
はっと起きた時には、腕が痺れていました。

歩き回って疲れて、藤棚の下のピクニックテーブルでコーヒーを飲みました。
焦点の定まらぬ目でぼーっと休んでいる私の前に、
藤なだけに藤色の藤の花びらが、ぽろ、ぽろ・・・と落ちてきます。
ああ、住みたいここに・・・・


そして、今日は2羽だけ出ていたハシビロコウ。

この子と。


餌場を挟んだ反対側にいた子。

動かないのが面白いので、ビデオを撮りましたが、動かなそうに見えて、
30秒に一回とか、2分に一回ぐらいは動きました。

掛川花鳥園随一のアイドル、フタバちゃんは、
ただ一人というか一羽飼いですが、
大好きなお飼育係のお兄さんもいるし、人気者ですし、
場所も広くて幸せそうに見えます。

こちらのハシビロコウ達は、長蛇の列になっているパンダ舎の近くにいるせいか、大人気という感じはしませんでしたが、
やはり、動かないというところを愛されるのか、
見ている人もじーっと、長い間立っている人が多かったです。


その他意外に面白かったのが、小動物舎・夜行動物舎・両生類舎で、なかなか見られない動物や両生類をたくさん見て、とても楽しかったです。

暗い中で赤外線なのかな?  赤黒い光の中で、こっちのことなど気にせず、のびのびと食べたり寝たり喧嘩したりしています。

「ハダカデバネズミ」というのがいて、すんごい出っ歯で、毛がなくて、
(神様、なんで?)
と言いたくなるのがいました。
この子達は、「老化しない唯一の哺乳類」だそうですが、
私なら、老化してもいいから、ハダカデバネズミに生まれるのは嫌かな。


夜行動物と両生類の面白さは、たくさんビデオを撮りましたが、
とても言い尽くせません。
また来週来たいと思いました。
あ、そうか。
年パス買う人って、こういう感じなのかな?


5時閉園までゆっくりと見て、帰りにもう一度ハシビロコウを見に行きました。

あら、座ってた。


弁天門から出て根津駅から家に帰りました。
根津駅が近くてびっくりです。
昔はなかったGoogleMapsに、本当に助けられますね。

この辺り、谷根千やねせん、谷中・根津・千駄木は面白いところいっぱいですが、今日はここで切り上げました。

ああ楽しかった!


・・・

この前図書館から借りた本が、家に帰って気がついたら、ハシビロコウの表紙でした。

ハシビロコウは、嘴広鸛、「嘴」はくちばしで、《嘴が広い鸛(コウノトリ)である》という名前です。
英語ではShoebill、「靴みたいなくちばしの鳥」という意味だそうです。

頭のてっぺんの羽がいつも、くせ毛みたいに立っていて、
目つきが悪いというより、鋭いのがすごく可愛いんですよね。

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