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日本語教師日記115.冗談が通じなかった件

私は、ふざけるのが好きで日本語教師をやっているようなところがあります。

この頃はさすがにやらないけど(恥ずかしくなってきたので)、前はよく、
「フリーズしたふり」
をしました。

接続が切れたり、自分がフリーズしたのに気づかず、一生懸命、1分とかそれ以上、熱弁を振るって、途中で相手の反応がないため、
「あれ? 」
と気がつくことはよくありますよね。ないですか?

気がついて、繋ぎ直して、

はい、ただいま!

と言うと、生徒も慣れたもので、

先生お帰りなさい。

と言ってくれます。

「今、すごく変な顔で私、止まっていましたか?」

と訊くと、みんな優しくて、

「いえ・・あ、それほどでも・・あ、ちょっと・・」

って言うので、思い切り変な顔で、止まってたのがわかりますね。

よくフリーズするのを逆手にとり(こう言う時にはそうは言わないのか)、
ぴたっと止まって見せることがよくありました。

「先生! 止まったふりしているでしょう!」

すぐバレました。

「なんでわかった?」

「だって、ピアスが揺れてますよ?」

しまったぁ〜!

コーヒーカップに髭の絵がついていて、持ち上げてコーヒーを飲むと、
ある角度だと、自分に髭が生えたように見えるという、逸品がありました。
あるスイス人の生徒が、それとまさに同じ髭を蓄えていました。
気がついてくれるかと思って、必ずそのカップでコーヒーを飲むようにして、
必ず、髭が生えたように見える角度をして見せましたが、
この人は全く気がついてくれませんでした。
ある日、痺れを切らして、
「ほら見て、あなたとお揃いのひげ」
と言ってみましたら、
「はい、そうですね」
の一言。
心から後悔しました。

ご存じのように、国民性というのは、ないようでいてありまして、
みんながみんなそうではありませんが、たとえばドイツの人とスイスの人は、割と、生真面目な人が多いです。彼はスイス人でした。
毎回わざわざ髭カップにコーヒーを用意して、全く通じず、
すごく残念だったため、これは今でもときどき思い出します。

今年から始まった、新しい子供生徒は、当年とってまだ11歳。
声変わりもしていないくて、可愛いと言ったらありません。
今のところ、私の受け持つ最年少です。

私がレッスン中に、GoogleDocs に英語を入力しているときに、よくスペルミスをいたしますが、親切にもその言葉の下に、「マチガッテイマスヨ?」と、
赤い波線がすぐに出ます。

あ、間違えた、直してもらってもいいですか?

と、彼にお願いすると、喜んで直してくれます。
んが、ときどき、彼も正しく書けません。

「大丈夫です。私も日本語の先生ですが、読めても書けない漢字はたくさんあります。英語のスペルも、難しいと大人でも悩むってあるでしょう?」

と言うと、彼はパッと顔を輝かせ、

「先生も!書けない漢字がたくさんあるんですか?!」

と喜んでいます。
これ言うと、みなさん必ず、喜びますね、うひひ!って。

彼はまだお子様なので、私がくだらない冗談を言っても、
通じないことが多いです。

この前は、これ。

「君とは週に2時間もお話をしていますね。
私は、夫と1週間に話す合計時間よりも、君とたくさん話しています。
なので、私が認知症になった場合は、一番先に気がつくのは君ですから、
私のだんなさんに連絡してください」

と言ったら、ものすごく困った顔をして、固まってしまいました。
すごい責任のプレッシャーを感じたようです。

「あっ、ごめんごめん、うそうそ、旦那さんの方が先に気付きますよ多分」

と取り消したら、にっこり笑って、安堵のため息。

そして、

「先生はとても若いから、まだまだ認知症にはならないと思います」

と言ってくれました。
なんというヤング・ジェントルマンなんでしょう。
もう無料で教えましょうか君のことは。


私が日本語教師を始めた頃の今は昔の話ですが、エスニック・ジョークというのが普通に口にされていました。今だと絶対、ダメなものが多かったです。

しかし、成熟した社会・成熟した人は、オノレのことを笑い飛ばせるとよく言われます。ですので私は、たくさんストックしてあるけど、言えなくなっているエスニック・ジョークの中から、「電球を取り替えるのに、何人の◯◯人が必要か」というやつを、生徒にはよく話します。

今日はそれをご披露して、おしまいとさせていただきますね。


Q:電球を取り替えるのに、何人の日本人サラリーマンが必要でしょうか。
A:100人です。
Q:なぜ?
A:一人が電球を持ち、残りの99人が家を持ち上げて回します。

私が結構笑いを取れるジョークの一つです。

他にもいろいろあるので、書きたくてうずうずしていますが、我慢します。


サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。