エッセイ331. 「ひきしめたいと言っていません」と言えない悲しい大人の事情について
私は(すごく似合わないのですが)ジムに通っています。
15分簡単な体操の指導を受け、
次に1分✖️6台のマシン✖️2周=12分
を、また指導を受けて行い、
その前後に、パワープレートという、前後左右にブルブルするマシーンを使って、
ストレッチ・リラックス・またはトレーニングをするというもの。
全部こなしても40分ぐらいです。
私は最初、そのジムのある最寄りのA駅まで行くのを、
自分には無理だと思っていました。
バス代420円かかっちゃうしな〜。
往復歩けるって距離じゃないしなぁ(片道30分)。
ジム行かなくなったらお金もったいないしな〜。
と言う理由で、入会をためらっていたのです。
でも、コロナ禍の3年間の引きこもりと運動不足で、あちこちに故障が出て、
その治療にお金がかかりすぎるということが続いていました。
そこで、世にざらにある「自称ゴッドハンド」の先生方をかきわけ、
友達が悪い膝を完治できたというクリニックを紹介してもらい、
そちらへ通うようになりました。
「これで治らなかったら、そういう運命だったということにしよう」
と思いつめた挙句の、大きな決意でした。
その決断が良くて、、ぐんぐん回復してきており、
今は3週間に一度行けば良いということになりました。
本当に嬉しいです。
そこの先生はすごいポジティブシンキングで、
私の宿題となっているいろいろな運動について、
「苦手なものはつい、さぼってしまうのですが」
と言っても、
「いいんです。0よりは1は大きいですから」
とおっしゃいます。
この先生に、ジムに入ってもいいものかどうかおききしたところ、
自分が嫌じゃなければ、やりたければ、なんでもやってください。
なんだっていいんです。
とのことでした。
まるで、あの有名な「夜回り先生」みたいです。
というわけで、おどおどしながらジムに入会しました。
往復はバスか自転車かと悩んでいましたが、
お金もかからず、雨でも大丈夫な、歩きで行くことにしました。
(雨の日は、でも、行きません)
このジムは通い放題の定額制なので、行けば行くほど、一回は安くなる。
行かないとぐんぐん上がる(上がらないけれど、上がったように感じる)。
これが良くて、割と頻繁に行くようになりました。
土日は休みですが、渡されたキーで入場でき、
流しっぱなしのビデオに従って体操をし、タイマーをかけてマシンを2周。
いつもとは違って他の人がいませんので、
好きなだけパワープレートでブルブルできます。
あちこち痛かったものも少しずつ改善し、
なかなか乗る機会のないパワープレートにも乗ることができ、
飽きずに通うことができています。
そんなある日、ユニクロで買ったエアリズムTシャツを着て、
先生の指導で体操をしていたら、その日はすごく、
体の太ったところをシャツが拾い、とてもよく見えました。
人間なのに、お供え餅のようです。
目の前1mのところに先生、一面の鏡に映る己れの姿。
ガマの油売りのガマじゃないけど、ちょっと脂汗が出てしまいます。
これは、いたたまれなかったです。
その後のマシントレーニングのとき、先生がやってきて、
tamadoca さんは、もっと引き締めたいとおっしゃっていましたね!
信号待ちでもお腹を膨らませて息を吸い、
吐くときはお腹を引っ込めると言うことをやってみてください。
とおっしゃいます。
あ、あれか。
ときどき思い出してやっている、美木良介さんの「ロングブレス」でしょうか。
ドローイングともいうのでしたっけ。
はい、わかりました。やります。
「そうすれば、気になるところがすっきりします」
はい、わかりました。
「引き締めたいとおっしゃっていましたのでね、
これで一層、引き締まります!」
たいそう励ましてくださいます。
実は私は入会時に「何を目指しますか?」と訊かれた時、
「ぎっくり背中をなるべく普通に戻したいです」
と言いました。
背中が痛すぎて、痛いのに無理に歩いていると
今度は腰、股関節、膝・・と、どんどん痛くなってしまうので、
クリニックに通いながら、少しでも体を動かして、痛いのを減らしたい。
そんな私からしたら、「引き締めたい」は、二の次の次。
でも私は、
「いいえ、引き締まらなくても大丈夫です」
と言うのがちょっと許されないというか、
これはもう是非引き締まった方がいいような、体型をしています。
ブルブルマシーンに一生懸命乗っているのも、そのためとしか見えません。
ジムにかけているお金を無駄にしないため、
プチ糖質制限も続け、たくさん歩き、整骨院の体操もジム通いも真面目ですが、
その結果として引き締まればありがたいとは思いつつも、
第一の目的は背中痛・腰痛が出ない体にすることなのです。
けれどもこの生活が功を奏して私がすっきりしてくるとまた、
この頃かなり引き締まってきましたよ!
頑張りましたね!
と、めちゃ、喜んでくださるのであろう。
(痩せられれば嬉しいが、そこまでではない・・)
ということを、スクワットをして息を切らせながらだと
上手にお伝えすることができず、
嘘をついているような気持ちになってしまったのでした。
(駄)で、すみません。
背中の肉が少し、掴みにくくなってきた気がするこのごろです。
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