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エッセイ211.2022年のラプソディー(11) あっという間に卒業式

3月20日の日曜日の夜遅くに名古屋の自宅に帰りまして、
翌日は普通に仕事が始まりました。
普通というのはいいですねぇ。

レッスンをしながら頭の隅で玄関に注意を向けています。
待っていた荷物が届く予定だったからです。
昼前に、宅配便がやってきました。
1月に次女と選んだレンタル着物と袴が届いたのです。
そう、翌日はもう、次女の大学の卒業式です。
早いわ〜。
コロナで留学が中止になり、そのとき、留学費用を稼ぐために休学してしまっていたので、都合5年で大学を卒業するはこびとなりました。
うち1年以上は、オンライン講義で、かわいそうでしたね。

その卒業式です。
しみじみと、一つ一つ小物を揃えたり、着せる練習をしたり、半衿を丁寧に縫い付けたりしたかったけれど、母の急死でそれどころではなくなりました。
普段はほとんど動かず、家でじっとしている私なのに。
It never rains but pours.   降ればどしゃぶり     と英語の諺で言う通りですね。


さて我が家には、若い人向きの明るい色無地や、絵羽小紋その他の着物、
また、振袖は、いただいたものが3枚あります。
長女のときに、(次にも使えるし)と思って買った紫の袴もあるので、
次女のときにも準備万端だと勝手に思っていたのですが、次女は次女で、好みがあったのでした。
当たり前ですよね。

レンタルしたい袴と着物があると言ってきたとき、
え〜、小物も着物も袴も全部あるのに・・・とは、さすがに思いました。

往生際悪く、
「紫に合う着物なら、好みのものを一つ買ってもいいかも・・」
などと言ってみましたが、ネットで、どうしても着たいものがあるのだそうです。
うん、着るのは母じゃないからね。
了解です。🙋‍♀️

次女は一応、かなり着物が好きな私をおもんぱかってか、下見に一緒に行ってほしい、レンタルショップでなにか、変な感じに・・誘導とか? なったら止めに入ってほしいし、と申し込んできました。
もうあまり子供のためにやれることがない私は、それでもちょっと嬉しい気持ちになって、ある日(いそいそと)同道したのでした。

彼女がネットで見て気に入っていた着物は 幸いまだ残っていましたが、
見たらびっくりの、かなり新しいつくりでした。
そのポリの着物には、伊達襟と、長襦袢の袖の部分が、ほそーく縫い付けてあり、長襦袢を着たり、伊達襟を独立で用意してピンで留めたりしなくていいのです。
袖丈は、若い女性向けらしく、中振りぐらいでしたが、最初から長襦袢が袖から振りこぼれているような風情に、細く別布を縫い付けてあります。
着物の着丈は膝までなので、おはしょりは不要です。
「半襟が最初からついている袖なしのベスト」を別料金でレンタルします。
長襦袢は要りません。
半幅帯は非常に薄いので、リボンを結ぶ感覚で結べそうです。

セット内容は、

肌襦袢・紐3本・伊達締め
長襦袢と伊達締めが装備された、膝丈の着物
袴のチョイス
当日のヘアメイクと着付け

でした。
その上に、半襟の縫い付けてある袖なしベスト、バッグ、草履、ブーツを借りたければ借りるそうです。

私は、袴を着せつけるのを楽しみにしていましたので、ちょっとがっかりしました。モダンなシステム着物に、なにか・・お株を奪われちゃったような気がしたものですから。
でもね、素敵な着物です。黒の袴にばっちり合うし。
袖が長くて丸いカットなのも可愛いいです。

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伊達襟に見える布が襟に、長襦袢が振りこぼれているように見える布が、着物に直接縫い付けてありますね。


次女は夫の遺伝子が強くて、凹凸の多い体型です。
いつものように、和装ランジェリーの上にベスト型の補正下着の薄いものを着けましたが、ウエスト周りにいつもは2枚は入れるバスタオルは省略しました。袴だから大丈夫なようです。ひもは一本でも少ないのがいいですよね。

長襦袢は、この作りの着物なので不要で、うそつき という、肌襦袢に襟の土台と付け袖のついたものを着せました。
その短い袖が着物から出ないように、三角に折って縫い止めました。

半襟は、華やかに白と白銀で織りなす「雲居」柄にしました。
ほんの数センチしか見えないんですが、そういうのが楽しいですよね。

髪は、もうすぐ就職なのであとで黒染めにするのだそうですが、最後の遊びでヘアカラーしてあります。今は、金銀の水引と、はかすみ草をまぜたお花のヘアアクセがはやっているそうですが、次女は自分で黒いリボンを買ってきました。

黙って写真を出すとすごく怒られるので、マスクをかけさせてこっそりと。

ちなみに、髪はナチュラルカールです。


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コロナなので、親は自宅でライブを見ました。
どこにいるか、ちっともわかりませんでした。
大学のキャンパスで、華やかなワンピースや袴の女子たちと、きりっとスーツで決めた男子立ちが、別れを惜しんだり、写真を撮りあっている、長女のときには見ることのできた景色は、今年もありません。でも、健康で生きていることをありがたいと思わなければ・・。

卒業式の後は、着替えて街に出かけた次女。ワンチャンだけどと言っていましたが、カラオケで朝まで楽しんだようです。


引っ越しはこの週の日曜日、28日の日曜日。
そのひまで次女は、中学高校大学と、名古屋に引っ越してきてからできた友人たちや、長くお世話になったアルバイト先のみなさんと、夜は送別会。
あとは怒涛の引越しの荷造りで、やっとまあまあ片付いたのは、
前泊すると決めた、昨日の未明でした。

娘たちとは、まだまだ一緒に暮らせるような錯覚をしていましたが、
二人とも、出発の日はあっという間にやってきちゃいました。

二人ともぎりぎりのタイミングで仕事が決まり、
家を出ることになったのも、ちょうど23歳と6ヶ月という偶然です。
保育園から大学までも、全て同じところに通いましたが、
とうとう、京都と東京に分かれて暮らすことになりました。
安全にだけは気をつけて、こんな時代でも元気にやっていってほしいです。



・・・・・ふうううう〜〜・・・・これを書き終わったのが、さっき引越し荷物を運び込み、洗濯機と冷蔵庫が届くのを待っているアパートです。
夫は激務が続いているので、今も仕事をしています。
お疲れさんです。
コンビニフード、もう飽きました!

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