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日本語教師日記113.体感温度が違うこと

上の写真ですけど、何の包み紙だと思いますか?
当ててください。

さて今日は、体感温度のお話です。

やはり、生まれたときからずっと、暖かいところに住んできた人は、
お国では一番寒い時でも「日本の秋ぐらい」ということであったりします。
なので、日本に住んで冬になると、「なんなら南極探検隊」になることがあって、とても辛いのであると、生徒たちから聞くことがあります。

それは、同じ国の人同士であってもそうです。
北海道出身の人から、北海道の人は案外、寒さに弱いということを聞いて不思議でした。・・けれども、よく聞いたらわかりました。北海道は基本、寒い時はすごい寒いので、昔からペアグラスであったり、外から家に入ってもまだ、二重の玄関の「中間室」であって、雪をブラシなどで落としてから、おもむろに「本当のお家部分に入る」。そして室内の暖房は、間違っても寒くないようにガンガンにきかせています。ですので、普通に本州の、「部屋を一歩出たら寒い」みたいな家屋が耐えられないのだそうです。死ぬかも! と思うほど、寒いのだそうです。ついでに言いますと、ロンドンと同じぐらいの緯度である北海道ですので、暑い年にはかなり暑いとしても、東京や名古屋のような、肌に張り付くような過酷な暑さや、盆地である京都のような暑さは、なじみがないそうです。

子供の頃から東京に住むことに決めていて、大人になって十分準備をして、仕事を決めて東京に来た道産子の人。6月になって「うそこれ。なにこれ。暑い・・」と、暑さに耐え切れず、北海道に帰った、という、本当かどうかわからない話も聞きました。

脱線しますが、京都に住んでいる長女によると、テレビなどで毎夏紹介される、あの、「川床」という、風情のあるもの。鴨川のせせらぎを聞いて、舞妓さんなども呼びつけて(お金のある人に限りますが)、お店から河原に迫り出させたプラットフォーム状のスペースで飲食をするという。

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あれは、見ていると涼しげであるが、実際暑い時にあそこに座っていると、下から湿気を伴った熱気が上がってきて、お客さんは蒸篭せいろで蒸されている飲茶と同じで、暑くてたまらないということなのです。 一度体験してみたいですね。


有名な「貴船」の飲食店は、思いっきり涼しそうに飛沫を上げている川の写真がついていまて、京都の人に言わせると、季節をよく選び、また、昼間は貴船、鴨川なら夜に行くとようおすえ、ということでした。

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こちらは貴船です。行きたいなぁ。


さて、体感温度というのは不思議なもので、住むところが変わったとて、急に変わるものではないようです。

金曜日1時間目。日本時間朝8時スタートのレッスンは、ブラジルから来てもう20年の人。いまだに日本の冬は寒くて、耐えられないのだそうです。去年の終わりまでは、私とお揃いの、ユニクロの、内側がフェイクのふわふわのついたパーカで、しっかりフードを被ってその上からヘッドフォンを装着していました。年明けの今は、とても寒いので、一番厚手のダウンジャケットを着込み、そこに付属の分厚いフードもかぶってからヘッドフォンをしていますので、顔が影になって、表情がやや、読みづらくなっています。

水曜時1時間目、日本時間の朝7時スタートの人は、テキサスはヒューストン。一年中、半袖のTシャツです。去年の異常寒波の時は、「もともと寒さに慣れていないので、用意ができていない人が大半。車で暖を取ろうと夜に車に乗り込んでエンジンをかけたまま寝入ってしまい、一酸化炭素中毒で亡くなった方も・・」というニュースを去年は聞きました。ずっと寒さを知らないで大きくなったら、あれは辛かったでしょうね。年中半袖の人は、アメリカには多いです。おそらく、セントラルヒーティングで、廊下でもトイレでもお風呂でも、普通に暖かいお家に住んでいるからなのでしょうか。

南半球の人は、8月のカレンダーが雪山、12月の写真は夏ですね。
私がそのことを忘れて、

「いや〜、今日は寒いです。息が白いですけど見えますか、ほら、は〜」

などと言いますと、「いえいえ、暑くてぐったりです」と返事が返ってきたりします。

オンラインで色々な国の人と会うことができますので、短時間に、目でみるだけですけれども、世界の天気ツアーを毎日やっています。

国により、「暑くて死にそうです」というときの温度がまた、違います。

先生、今日は過ごしやすいです。40度ですから。

というのは、サウジやドバイの人です。

気候の穏やかな国の人は、過酷な気候にやや、弱いですね。

うちのニュージーランドの義母ですけれども、

tamadoca!  
今日は暑くて暑くて、私、溶けかかっているわ!

というので、よく聞いてみると、28度だったりします。

いいなぁ、義母。


体感温度のお話でした。



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