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エッセイその76. 着物について (1)初めて買った着物


私が初めて着物を買ったのは、東京駅の大丸の呉服売り場でした。

そのときは、着物のことは何一つ知りません。

社会人になって何回目かのボーナスを着物に使おうと思って、

大胆にも人影もまばらな呉服売り場に 一人出陣したのでした。

勇気ある〜。
恐れを知らない若き日の私。

もちろん、一瞬で討ち死に致しました。

恐るべし、デパートの呉服フロア。
日本のデパートは元々が呉服屋さんだそうですから、
浴衣とウールの単(ひとえ)しか着たことのない、
何も知らない小娘の、足を入れては行けないところでした。

私はあっという間に和装の店員さんたちに囲まれ、
肩に反物を掛けられ、くるくるくる〜と上半身に当てられ。

んんんまぁぁぁ〜、素敵!
お似合いよ!
私なら買う!
私の娘になら買う!

と言われ、あふあふと過呼吸に陥った末、
その場で たんたんた〜ん!
と選んでもらったものを、素直に買いました。

小物類は持っていましたので買いませんで、
袋帯(なんで初心者に勧めるかなぁ、名古屋帯でいいのになぁ〜)、
帯地め・帯揚げを購入しました。


でも大丈夫です、全て今に至るまで使っております。

色の派手な帯締めや総絞りの帯揚げは娘たちに使えますし、

着物も散々着ましたので、なんとなく、もとはとってあります。

この初着物は、当時長唄の鳴り物(鼓や太鼓)を習っていて、
その発表会のために必要で、買ったのでした。

買ってしまってから、週1で2ヶ月、区民センターの講座で習っただけで、
着姿も何も頓着なく、堂々と着て、外に出て行きました。
発表会から帰ってきた途端、締め方の甘かった腰紐から、
おはしょりがすとんと全て落ちて、裾を引き摺ったのでした。

若い頃にはこの着物を地味に感じて、反対色の帯を絞めたりしましたが、
今も着られるという点で、結局お得でした。
大丸のおばちゃまたち、ありがとう。
でも怖かった・・。


これを一番最近に使用したのは、長女の卒業式でした。

Amazonで3800円の、無地の明るい紫の袴を買い、髪は私が結いました。
つまみ細工のヘアアクセは、友達の作品です。

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私はそんなに早く上手に着せられるわけではないのですが、
娘たちによると、

おかんの着付けは、気崩れがないかも😐(本人たちよくわからない)。
あと、あんまり苦しくないかも・・・😐(本人たちよくわからない)。

だそうです。

私は、着せるのはまあまあできるかもしれないのですが、
自分が着るのは 下手な方だと思います。
今は、夏も冬も半幅帯ばかりです。

これまでの着付けを習った歴史ですが、まず、区民センターで全8回の講座。
その後 自宅で友達と、先生に来ていただいて月1回を1年間。
あれは超贅沢な体験でした。
そのあとも月1回、1年ぐらいかな、同じ先生に習い、
そのあとは、振袖の他装の個人レッスンで鍛えていただきました。
それでも現在も、襟が決まらず、帯揚げがぶくぶく出てきて、
また、帯締めがちゃんと締められず、です。
そこで、間歇的に個人レッスンを数回受けた経験もあります。

ここまで繰り返し習うということは、下手な人の方に入ると思います。

去年はコロナのために郡上おどりが中止となり、
浴衣も着ないでいて、半幅でさえも自信がなくなっています。
元に戻るには、また 習いに行かないと無理だと思います。


ですから、さっと すっきり着ることができ、

「洋服より着物のほうが楽なので・・・」

家でも一日中着物なのです、という人を、・・・私は心底尊敬します!


スーツケースに振袖を入れて飛行機に乗り、

ばあちゃんに、着るところから見せて、成人式の前撮りをした話はまた明日へ。


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コロナ前の写真なのですが、勝手に載せて見つかると
めっちゃくちゃ怒られるので、マスクを足してみました。

続きます。

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