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noteExpo2021に参加します:夢を叶えます


実は私は最近、少しだけ寂しかったです。
自分の人生で 一度きりだったかもしれない夢を諦めたからです。

独身だったら、もっともっと若かったら、
いえ結婚していても まだ子供がいなければ、
そういうのは絶対応援してくれる夫なので、行っていたでしょう。

その詳細も note に投稿させていただいたので、
一番下にぶら下げようと思いますが、
今日はnoteEXPO2021に参加するために、
差し支えのない範囲で ここに書かせていただくことにしました。


一瞬現実味を帯びたその夢は、海外での日本語教師の仕事でした。

先週のある日、私が信頼して10年以上利用しているエージェントを通じ、
名指しで、雇用主となる一家から連絡が来たのです。

それは、ロンドンのこの一家の家に同居して、
一家全員に日本語を教えるという仕事でした。

提供されるものは以下の通り。
まず、住まいでして、個室の提供があります。
英国での適正なビザ、健康保険その他の社会保障。
一家のホリデーに同行する(これは断れます)。
日本への帰省の航空運賃。
月給は日本円にして約70万円。
(恥ずかしながら、すぐ計算しました)

これって。
これって。
メリー・ポピンズになってくださいということですか?

昔の英国では、子女の教養・教育のために、
住み込みの女性家庭教師を雇うことが広く行われていたそうです。
近隣に良い学校がない場合は、男子も女子も教育の一歩はこれで、
後に男子は寄宿舎付きの学校へ送り込まれます。
女子は長く家庭教師と過ごし、家庭教師が運が良ければ、
嫁ぎ先に伴われることも、稀にはあったそうです。
文学に現れる彼女たちの一人で有名なのは、
シャーロット・ブロンテの著した「ジェーン・エア」の主人公です。
映画にもなりましたので、
クラシック映画ファンは あるいはご存知かもしれません。

「嵐が丘」のエミリ・ブロンテ、
この「ジェーン・エア」の著者のシャーロット、
姉妹の中では知名度は低いですが、「アグネス・グレイ」を残したアン。
この三姉妹のうち、エミリとシャーロットも、
女家庭教師、すなわちガヴァネスとして働いていました。

実際は、独身女性の職業は限られていて、
社会から憐れまれる存在であったという女家庭教師ですが、
私はなんとなく、住み込みで子供を教えるようなことをやってみたいと、
昔から思っていたのです。

現代でカヴァネスに近いのは、「オペア」というもので、
海外でホームステイをし、子供たちの世話をし、
その代わりに住居と給金をいただくというものです。

若い時にやっていたなら。

でも、だめだったんですね。
親が厳しくて厳しくて、まず海外に行くのも留学もだめ。
行くなら、絶対に落ちない飛行機を見つけてこいと言われました。

今なら、「レインマン」を見ましたので、

「落ちたことのない飛行機? カンタス! んじゃ、行ってきま〜す!」

と言えるのですが、当時はそういう勇気がありませんでした。

願う前に、希望することを回避する、それが若き日の私でした。

皆さんの中には、

「そんなの、行っちゃえばいいんだよ!」

とおっしゃる方も大勢いらっしゃるでしょうが、
当時の私はそうではなかったのです。

心理学の実験で、こういうのがあるそうです。

子犬が、電気を通した柵を越えられない小さいときから、その囲いに入れます。
触れるとビリビリっと来る、痛さ、怖さを、生まれた時から体験させます。
すると、子犬が大きくなって、柵など軽くひとまたぎできるようになっても、
決して またいで外に行こうとはしない犬に育つそうです。

私は以前、そんな犬のような人間でした。

私の人生が変わったのは、キウイの夫と結婚してからで、
まさに劇的ビフォー・アフターの人生になりました。
結婚は大反対されまして、結婚式には親は来ませんでした。

考えてみたら、

外国人なんかと結婚する
結構しばしば飛行機に乗る
結婚しても子供ができても 全然仕事を辞めないで続ける

などは、父親の最も嫌うところで、
敢行すれば、その都度勘当されるようなことです。
それが、そんなこと全然普通にやる人間に 私はなりました。

父にしてみれば、そういう娘にするまいと、厳しく厳しく、
鉄拳付きで抑えてきたのに、まさに全て反対になっています。
人生って 皮肉です。

実際に、今まで4回ぐらいは勘当されていまして、
勘当上等、慣れっこです、どんと来いです。

でも、親と衝突しまくるだけの価値はありました。
喧嘩をしても仲直りがすぐできる、
何よりも私のすることに絶対反対しないで
100%サポートしてくれる相手を得ましたので。

しかしそれだけに、今回 降ってわいたようなこの仕事のオファー。
頭を抱えました。
有に1分ぐらいは悶々としました。

だって・・・・!

行きたいですもの。

実は、私がその気なら、たぶん、全然行けます。
長女はすでに就職して、近県で独立していますし、次女はもうJD4年。
夫も次女も、自立系なので、世話をする必要はありません。
誰からも全く反対はされないでしょう。
現実的にネックとなるのは、コロナが怖いということだけです。

しかしなぜ断ったか。
それは、やっぱり夫婦で一緒にいたいからです。

コロナの時代になってもう1年以上、ほぼ毎日二人とも在宅ワークですが、
バランスが取れてきたのか、以前のような喧嘩もせず、
毎晩のように美味しい晩酌をしています。
いろいろアップダウンの激しかった結婚生活ですが、
今は今の状態を大切にしたいと思っています。


一応夫には、

「コロナも怖いし、行ったらあっちが変な人たちだった、
ってことになったら、私はひ弱だから、
死んじゃうかもしれないので、やめました」

とは言ったものの、それは公式発表であって、本当は、

「いつも美味しいご飯を一緒に食べ、美味しい晩酌をやりたいから」

だったのに 何日もしてから気がつきました。
だってこれ、いつまでできるかわかりませんから。


というわけで、私には新しい夢ができました。

夫があと数年で退職して、もし人類が運が良くて、
コロナウイルスが収束し、後続のウイルスが出て来なかったら、
私は自由です。

持ち家がありませんので、退職後の計画として、
東京に戻って家を購入するか、ニュージーランドでそうするか、
その前に一年ぐらい、郡上市八幡に住むのはどうだろう・・

・・などと楽しく妄想を広げてきましたが、今はそれに、

「夫が退職したら、夫とともに台湾か英国に移住して、私は日本語を教える」

というのが加わりました。

結婚するまでは、私にとって 夢は 親に潰されるために抱くものでした。

今ではそうではありませんが、悲しいかな、
夢を膨らませることに、私はあまり慣れていません。

でも、これから始まる人生の次のステージに、
一緒にいて楽しい相手と、なんの縛りのない国に住んでみる。
悪くないじゃないか。

そうだそうだ、そうしよう。
そう思ったら、お断りのメールを送ったときに感じた寂しさが、
すうーっと消えていきました。

やるせない気持ちを、「夢見ることへ」向けてくださった
奥田さん・ないとさん・のみやさん、ありがとうございました。

長文を最後までお読みいただいた皆様にも感謝です。

以上です。



https://note.com/bigfish/n/n0c39bdc87709


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左:郡上おどりが中止になる1年前に、踊り免許証4枚目を取ってサインしている旦那。帯も自分で結べますよ。
右:夫婦お揃いの浴衣は拒絶されてますが、毎年1枚ぐらいは好きな柄を選んで各々 仕立てています。
徹夜おどりで踊りすぎ、下駄の歯がちびていますが、こんなのは「まだある」方。下駄が草履ぐらいに歯がなくなり、何足も捨てています。



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