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エッセイ337.翻訳の沼(20) アデル の"Hello"その3.= "California dreamin'"がわからないと訳せない

このテーマ、こだわりすぎてめちゃくちゃなことになっています。
ほんと、すみません。
行きます。

アデルの名曲、"Hello"を、拙いながらも翻訳しようと思うと、
一番つまづくのが、以下の部分です。

Hello, can you hear me?
I'm in California dreaming
about who we used to be
When we were younger and free

直訳すればこうでしょうか。

もしもし 聴こえてる?
私は昔の私たちのカリフォルニア・ドリーミングの中にいるの
若くて自由だった頃の


・・・わ、わっからーせんが〜😭


しょうがない、住み込みの外人に訊いてみました。

「夫よ夫、この
I'm in California dreaming
・・って、もしかしてあの 、

"California Dreamin’" (by ママス&パパス)

のことでいいの?

「私は今もまだ、(もう失った)私たちの「カリフォルニア・ドリーミング」、
若かった二人の世界に浸っているの

と、いうようなことを歌っているの?」

ーーそうですね。

「そうですか・・・
それかもしくはまた、あの曲のことではなく、
《カリフォリニア・ドリーミング》
と言う言葉そのものに、
何か特別な意味があるの?」

ーーないですね。

「ないのね?
・・・じゃあ、歌の “California Dreamin’”
は、一体 どんな内容?」

ーー知りません。

「え、知らないの? 外人なのに?」

ーーいや少しは知ってますよ。

そういうと夫は、唄い出しました。

♪ All the leaves are bro..all, the, leaves are brown
〜だり〜・だ〜りら〜・だりだりら〜
California Drea…Ca.li.fornia dreaming…
んっだっだ〜;だだだ〜♪

・・・ね?!

と、ご丁寧に輪唱部分まで、一人で歌ってくれましたが
(それは、誰でもやりますが)
夫が歌詞を知らないことは、わかりました。

とても親切な夫はこのときも、

ーー全部は歌えないです、アイムソーリー

とすまなそうにしています。

「いや、そりゃいいよ、
世界中の人みんな、
そのぐらいしか歌えないから、この歌は」

ーーこんなに有名なのにね。

「有名なのにね。
最初のとこだけ、有名ね」、

ーーーそうですね。

・・と、ここまでわかりましたので、打つ手は一つ。

「私は今もその夢の中にいるの」

と、Hello で歌われるところの、その

California dreaming

を、翻訳してみたいと思います。
行きます。

( “Hello”はいつ翻訳できるのでしょうか)


"California Dreamin'"    (gがなくて dreamin' です)

              Music and Lyrics by John and Michelle Phillips
              Performed by the Mamas and the Papas

All the leaves are brown
木の葉は色を失い
And the sky is gray
空は灰色
I've been for a walk
歩き続けている
On a winter's day
ある冬の日

I'd be safe and warm
If I was in L.A.
今もロスにいるのなら
気掛かりも寒さもないのに①

California dreamin'
On such a winter's day
カリフォルニアを夢に見る
こんな冬の日は

Stopped into a church
I passed along the way
行き過ぎようとして
教会に足を踏み入れた

Oh, I got down on my knees
And I pretend to pray
床に跪いて②
祈るふりをした

You know the preacher likes the cold
He knows I'm gonna stay
牧師さんは寒い日が好きだよね
入ってきた奴がしばらくいるから

California dreamin'
On such a winter's day
カリフォルニアを夢に見る
こんな冬の日は

All the leaves are brown
木の葉は色を失い
And the sky is gray
空は灰色
I've been for a walk
歩き続ける
On a winter's day
冬の1日

If I didnt tell her
彼女にあれを言わなかったら
I could leave today
今日にでもここを出られるのに
California dreamin'
On such a winter's day
こんな冬の日に
夢見るのはカリフォルニア

California dreamin'
On such a winter's day
こんな冬の日に
夢見るのはカリフォルニア

…………..

う〜ん、整いました。
うっすらと想像できてきました。

こんなところでひっかかって、
感慨深くしている場合ではないのですが、
アデルの "Hello" の方も、おかげでわかってきました。
(あとでネイティブチェックを受けます)

「カリフォルニア・ドリーミング」の男は、
落葉間近の 色褪せた葉っぱを残している木々を見ている。
空は灰色であると。
ここにいるのが嫌なのです。辛いのです。
この景色はカリフォルニアと違うんだと言いたいのです。
そう思いながら、冬のある日、歩き回っている。

ああ、彼女にあんなこと言わなきゃよかった
そうしたら今頃出て行けていたのに。

・・一体何を言ったのでしょうか。

それはともあれ、この人は若かった過去に、
あったかな気候のいいLAで、
カリフォルニアで、ぶいぶい言わせていたのです。
すんごく楽しかったのです。
でもその日々は終わりました。
今は、なかなかふり捨ててるわけにはいかない彼女がいて、
陰鬱な田舎から踏み出せないでいるのです。

なるほどなるほど。
詳しくは歌には出てこないが、そうに決まっているのです。

この歌がもしかすると、ベースになった部分のある “Hello”。

満を持して本当に次回、翻訳をします。

訳注
① I'd safe and warm 
safeは安全、ですが、
安全で暖かい  というと、避難所が優れている、みたいな感じ。
なので、safe, secureに感じるっていうのは、
心配事もない、ということに解釈し、
気掛かりもなく・・と苦し紛れの意訳をしました。

②床にひざまず
としましたが、NZの教会しか知りませんが、
信者が祈りのそこここで 跪くのは、
並んだベンチ席の後ろに、

引っ張ると降りてきて、いらない時あげられる、
クッション付きの「跪き台」

があるのですが、それです。
訳し様がなかったので「床」にしたのは残念か。

これです。


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