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エッセイ163.アンデルセン童話について(4)赤い靴


アンデルセン童話の「赤い靴」は、「マッチ売りの少女」や「人魚姫」「裸の王様」と並んで、題名は誰でも知っているお話ではないでしょうか。
ところが、はっきりとどういうお話であるか知っている人はそう多くないような気がします。
たとえば私ですが、改めて思い出してみようとしたら、
「なにかの理由で、赤い靴を履いて、踊り続けるんだっけ?」でした。
勝手に「好きな話登録」をして、知っているような気がしていたので、自分で驚きました。

本は実家にあってすぐには手に取れないので、青空文庫さんで読み返しましたら、思っていた以上にアンチ・メルヘンで、これを童話と呼んでいいのだろうかと思ったほどでした。

あらすじです。
主人公の女の子は貧しくて、お母さんを早く亡くして、親切な奥様に貰われて養育されます。何度か出会った「赤い靴」に最初から魅せられていて、やがて手に入れるのですが、赤い靴を履きたくてたまらず、ふさわしくない場、たとえば堅信礼に履いていってしまいます。
堅信礼とは、キリスト教の信仰の確認の儀式だそうです。幼児洗礼では、本人がキリスト教者になるのは大人が決めることです。なので、大きくなってから、「本当に自分の意思で神様を信じます」と表明する儀式に参加します。改めて信仰の意思を、自由意志で堅める儀式です。昔は7歳ぐらいだったそうですが、今は念のため16、7歳になっているそうです。
少女は堅信礼だけではなく、教会の説教のときなどにも履いて行って、思うのは美しい靴を履いた自分の足ばかりで、神の教えには上の空でした。そういうことを繰り返しているうちに、天使の呪いをかけられてしまい、踊って踊って踊り続けることになります。
以下はよろしかったら、短いお話ですので、青空文庫でお読みになってみてください。
今回大人になって読んでみましたら、子供の時にはお話の面白さ・怖さに引きずられて注意していなかったところにいろいろ気がついて、とても面白かったです。



以下はアンデルセンとは関係がありませんが、赤い靴というキーワードで思い出話です。


ゆうきみほさん主演の「赤い靴」は、女子スポ根ドラマの中でも、バレエが題材だったので新鮮でした。
お話は覚えていませんが、ゆうきみほさん演じる主人公が、「アテンション・プリーズ」と同じように、ドジ(死語かな?)だけれど、努力でプリマになるというようなお話だったと思います。「金メダルへのターン」で主人公だった梅田智美さん(今は智子さん)が、ライバル役でした。



昔 モノクロで見たイギリス映画「赤い靴」が、デジタル・リマスター編のカラーで生まれ変わっていました。
覚えているのは、いろいろなバレエのシーンです。ジャンプして床に降り立つと、特殊効果で一瞬にして赤い靴を履いているシーン、舞台に崖の絵が投影されていて、そこで踊るのでひやひやしたこと、赤い靴を履くように悪魔が誘惑するところ、バレエのメイクが怖かったこと、バレエなのにダウンヘアを振って踊っているので、いいのかなと思ったこと、そして衝撃のラストシーンです。リメイクもあると今回検索していて知りましたので、両方とも見てみたいなと思っています。

1943年イギリス映画






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