見出し画像

#3 みっちみちに詰まった筋腫

1.発射されそうなMRI撮影

激痛を起こしてから4日目の12月10日。
その頃には薬のおかげもあり、痛みもだいぶおさまってきました。といっても、かなりひどい生理痛よりも更にほんの少し痛いくらいの痛み、といった感じでしょうか。家ではほぼほぼぐったりと安静に過ごしていました。

この日、私は医師の指示通り、提携先の整形外科へ赴き、MRIを撮ってもらいました。

準備室的な、PCやらなんやらが置いてある部屋を通り、撮影室へ。仰向けに寝かされて、腰の下に板を敷かれて固定され、撮影スタート…例のコンコンカンカン言う音が響きます…と思ったら機械がシューンと止まって、検査技師のおねーさんが入ってきました。なにかトラブルでもあったのかと思ったら、ちょとごめんなさいね、と腰の下に敷かれた板の位置を直されました。

MRIは初めてではないし、暗いところも狭いところも大きい音もへっちゃらなのですが、あの音を聞きながらじっとしていると、なんだかロケットの射出カウント的なアレを思い出します。自分が黒ひげ危機一髪のようにぴゅーんと射出されそうで。今ここで射出されたら頭が壁にめり込んじゃう、と思うとそれがちょっと怖いです。いつも。

とはいえ今回も無事、発射されず生還いたしまして、着替えを終えて撮影室から準備室みたいなところに戻りましたら、検査技師の若いおねーさんから、封がされた大きい封筒を手渡されました。
あ、封をする前に、ちょっと見せて欲しかった、という気持ちが顔に出てしまうわかりやすい私。おねーさんは「ん?どうかされましたか?」と優しく聞いてくださいましたので、正直に「見てみたかったものですから」というと、あぁ、と笑って、机の上のPCを操作して、どうぞ、と見せてくださいました。

そこにあったものは、私の縦切り画像。ここが背骨、これが腸で、これが膀胱、で、ここからここまでが全部子宮筋腫です。えーと、だいたい14センチかける10センチくらいですね、とカーソルを動かしながら言われました。
腹部いっぱいに広がった大きな子宮筋腫。おへその上まで広がる、大きな大きな子宮筋腫。あぁ、そうか。おへその上まであると思わなかったから、それでさっき下に敷いた板の位置を調整したのね、と合点がいきました。 

最初に指示されていた通り、MRIが入った大きな封筒を持ってそのまま産婦人科へ。受付で封筒を渡せばミッションコンプリートです。2週間後にいらしてください、その時にMRIの説明をしますと言われました。2週間後はクリスマスイブです。イブにガンとか言われるのやだな、どうかガンではありませんようにと祈りながら帰宅しました。

2.ガンではないのにガン検診

万が一ガンだった場合、イブにそう宣告されるのはなんかヤダなと思ったので、読影の結果が出ているか電話で確認した上で、一日早い23日に産婦人科へ行きました。

MRIの画像を見せながら「変性がありますね、ガンではなさそうです。○○市の病院を紹介しますけど、A病院とB病院、どっちにしますか?」としゃらっという先生。

はい?前回、年明けすぐにうちで手術!ってあんなに圧かけてきたじゃないですか。私、はいって返事しましたよね?いやいや、そもそも前回、あんなにガンガンガンガン脅しかけてきましたよね?私、あれからずっとガンなのかなぁってしょぼくれて過ごしていたというのに、そんなしゃらっと?何事もなかったかのように?いやいいんですよ、ガンじゃなかったならなかったでいいんですけど、あんだけ脅したんだから、よかったねーとか、私もホッとしたわーみたいなそういうのあってもいいのでは?それは求めすぎ?てか変性ってなに?

もう頭の中がいろいろな思いでぐるぐるしている私に、先生は「じゃガン検診しますね」と隣の内診室へ入るよう促します。「え、ガンじゃないってわかったのに、ガン検診するんですか?」と驚く私に、「だから!」が炸裂しました。要するに筋腫がガン(肉腫)ではないということと、子宮自体にガンがあるかどうかは別ということのようでした。

しかも、昨日来てくれたら年内に結果でたのに!年末年始挟むから10日すぎにならないと結果出ませんよ!と何故か追加で怒られました。えーと。ホントは明日来るはずだったんですよ、私。先生が二週間後っておっしゃったんですよ。とはいえ、言い返してもまた怒られるのは目に見えているので、すみません。と謝ってしまいました。

3.喉元過ぎて熱さ忘れる

とはいえ、怒られたってなんだって、私は今日は確認しなくてはならないことがひとつあるのです。そう、それは来週の「年忘れカーリング大会」に出てもいいかどうか、とういうこと。
今回は6人のチームになっているから、万一ダメと言われてもチームに迷惑はかからない。でもリザーブとして控えていて、ほんの1エンドか2エンドくらい、ちょこっと出るくらいだったら大丈夫なんじゃないかなぁ、出たいなぁ…と。激痛の中、必死に申込書を提出したのですから、できればでたい。

恐る恐る「あの、痛くなかったら、運動とかしても大丈夫でしょうか。大会が、あるんです…」と後半尻つぼみに声を小さくしながら聞く私に、先生は呆れ顔で「運動?いいけど、痛くなっても知らないわよ。個人差がありますからね」とおっしゃいました。あぁもう!言い方!ほんともう言い方!

でもでも、いいって言いましたね。いいんですね。いいって言いましたね。痛くなったら痛み止め飲みますから大丈夫です。今でも何となくうっすら痛いけど、もうあんな激痛こりごりだけど、でも痛くならないと信じて大会でちゃうもんね。いやっふぅ~♪

そして晴れて私は、年末のカーリング大会に参加したのでした。出場したのは2試合だけ。しかも各1エンドずつ。後半は少し痛みが出てきてしまったので、チームメイトたちのコート類にぐるぐると巻かれてあったかくして応援専門になってましたが、それでもコロナ禍で久しくできないでいたカーリングができたのは、とてつもない喜びでしたし、なかなか会えずにいた大好きな人達と会えたことはこの上ない幸福感がありました。

年が明けて11日。子宮ガン検診の結果も無事シロということで、県庁所在地である○○市にある大きな病院への紹介状をゲットして、私は晴れやかな気分で個人病院を後にしました。ちなみに、年末の大会に無事に出られたことを報告しましたらば、「えっ!運動なんてしたの?」と相当驚かれました。いいって言ったじゃないですか。いいって言われたらそりゃしますよ。なんで驚くのかわかりません。

というわけで、今回もまだダイエットの話にならなくてすみません。次回からようやくダイエットの話が始まります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?