【マンガ紹介 #4】魔法少女にあこがれて【微ネタバレ】

魔法少女に憧れているだけ、判りやすい形でオタクをしてたが悪の幹部として招待されて以降、彼女の本質が暴かれていく。


作品データ

巻数:10(連載中、11巻も販売間近)
作者:小野中彰大

あらすじと1話

魔法少女が現れた魔物を退治しそれが一部メディア化されている現代、今日も今日とて遠方の魔法少女たちが戦闘している。偶然間近で見れた主人公、「柊うてな」は恍惚とした表情で空を見上げる。
「私もあんな風になれたらなぁ」と呟いた矢先に背後から
「してみるかい、変身」
俗によくある魔法少女の相棒枠のマスコット的なサムシングが急に話しかけてきた。この場面はもうそういうアレしかない!と了承した。
早速変身してみると、ディープロイヤルパープルと黒の中間のような艶やかな色と白を基調にしたとてつもなく露出の高い服装。極めつけに蝙蝠型の翼と内側に捻じれる角まで。そして角先、目元、「胸元」等に見られる黒光りする十字紋。
「魔法少女っぽくあにですよね…」「それはそうさ当然だろう」
「君の選ばれし力ってのは、悪の組織の女幹部の力だよ」
悪の魔力に導かれるように先ほどまで戦ってた魔法少女たちが退治すべく集まってきた。フルスタ・ドミナータ(イタリア語で支配の鞭)で言われるがままに植物を殴った所、術者に呼応すべく巨大化し、いともたやすく魔法少女たちを絡めとる。そして気づく。
「ヘンな気持ちになっちゃう…」
先ほどと同じく恍惚とした表情をしてる自分を。
「次は自分の手で、そうだろう?」と言われるが一応脅されながら鞭を振ることに。最初の数発は申し訳なさそうだったが、いつも見上げながら恍惚とした表情をしてた彼女はいつの間にか絡めとった魔法少女たちを見下すように恍惚とした表情を浮かべた。
真性のサディズムと件のマスコットから評価され、悪の幹部としてのデビューを飾るのだった。
暗転。夢だったと安心した矢先、昨日のマスコットが表れて昨日の感想を述べる。夢ではなく、自分は本当に悪の幹部になってしまった。
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惹かれた点

1話の時点から明確だったが作者がものすごく裸体を描くのに慣れている。魔法少女モノあるあるだが、その変身シーンを魅惑的に見せるのは伝統と呼ぶべきか。はたまた「尊重しすぎてる」気がしなくはない。
筆者の体験談として戦隊・ヒーロー・魔法少女モノを追わず(唯一ゴジラが例外)幼少期に偶然チャンネルを回してた時に見たプリキュアは、美墨なぎさが客入りのエレベーターを持ち上げてるシーンだったため、魔法少女が一生懸命戦ってるという印象はあれど、この物語の主人公柊うてなのような真っすぐな…真っすぐな…エロティシズムとサディズムで魔法少女たちと悪の幹部の構図を継続させていく。そして最初は若干派手になってしまうのが物語の1話の性だと思い読み進めていったが、あれよそれよで苛め抜く様子から方針の尖り具合と作者の熱意を感じるし同じぐらい柊うてなも傷ついたりするので全般的にそういう方向性。
また上記の「すごく裸体を描く」件については、昔流行ったPixivタグでは「R-17.9」、または海外判定だと問答無用で「NSFW」枠とかにぶち込まれそうなスタイルかと思ったが「これをR-18と言わないのが無理がある」。
そんなあられもない少女たちの姿を見てムホホするのも乙なもので、若干埋もれてしまっているが、敵モブデザインと攻撃の派手さも磨きがかかっていてコマ貫通やページめくり見開き等、またもやアクション漫画のスタンダードを大きく上げてしまうような場面ばかり。特に元メガテンキッズとロマサガ履修者としては主人公が繰り出すバケモンデザインはモチーフが判りやすくも柊うてなちゃんの性質を強く受け継いでいたり従僕感が強い。

若干ネタバレ有りの感想

めちゃくちゃ関係性と心理描写に関して拘っており、むしろ簡単な言葉とかで終わらせない当たり、そっちの方向性では彼女たちを凄く大事にしているのも伺える。非戦闘時の普段見せない表情も意識してるので扉絵だけでなく、色んな彼女たちの一面が見れる。
気のせいではないと良いが、漫画故の説明台詞等もあるが、有り余るリアル重視の相槌や質問とか言葉選びが見られる。
個人的にはこりすちゃんとキウィちゃんの年代が違うだけの友達同士感も好きだがこサルファの合理的なゴリ押し感で若干内部で歪が出来てしまうのも納得いく。力を背負ってしまった年ごろの少女たちならではの、問題を超えたと思ったら次の問題が出てくるあたり、せわしない日々を送っているのもだいぶ納得が行く。
ただ時折作者のリビドーが抑えきれないような話があったりするが、ただ作者のネタ宝庫から一つ引き出してくれてると思える程、構図や描写が良い。まぁ結構エチチなことが多いのだが。
あとこの物語はまだ完結していないが、闇が暗躍してる感もすこ。

最後に

祝アニメ化、矢張りエチチなアニメだった。アニメの方は謎の光さんの出張具合がえぐいが漫画版は描写しない代わりに際どさのチキンレース。
諸氏はこの本を読まれる際は、なるべくプライベート空間であるべきと予めくぎを刺しておきたいが、この物語の節々にあるエチチ以外の要素からでもオススメしたくなるのも判る。
是非彼女たちの物語の結末まで見たいですね。
ここまでお読み頂きありがとうございます。

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