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「やっと見つけた!」
少年は輝く小さな自分を見て歓喜の声をあげた

少年は自分探しの旅に出ていた
自分はいったい何のために生まれてきたのだろう…
なぜ今というこの地点に存在しているのだろう…

少年がそう思ったのも無理はない
少年の周りに存在する生き物たちは
何のために存在し
何のために今というこの地点に存在しているのか
認識し、その役割を心から楽しんで全うしているからだ

あまりにも楽しそうなのでお願いしてみた
「ぼくにもさせてよ」
「いいよ、やってごらん!」
あまりにも楽しそうに
あまりにも軽々とやってのけていたので
少年にも出来ると思っていたのに出来ない…
「すごい!!」
「ぼくもこんなことがしてみたい!」

少年は周りに存在する生き物たちに尋ねてみた
「あなたはなぜそんなに楽しそうなの?」
「心の奥底にあった本当の自分に気がついたからさ」

「あなたはなぜそんなに楽しそうなの?」
「自分が本当にやりたいことが見つかったからだよ!」
「きみは何がやりたいのかい?」
少年は答えられなかった

「やりたいことかぁ…」

少年は当てもなく様々なところへ行き
「これ楽しいよ」と言われたことをやってみた
また、楽しそうだなと思ったこともとことんやってみた
楽しい…けれど何か違う
どれも少年の周りに存在していた生き物たちのように
心の底から湧き出る楽しさではないということは
感じていた

旅の途中で出会った生き物に尋ねてみた
「ぼくのやりたいこと知らない?教えて?」
「そんなの知らないよ」
「そんなの君しかわからないよ」

「それがわからないんだ…」
少年は寝転んでみた
旅に出てから一度も止まることなく進み続けていた少年は
全身の力が抜け 心地良く空を見上げていた

いつの間にか口笛を吹いていた
少年が口笛を奏でると
周りの木々がざわめき
川はキラキラと輝く
生き物たちも少年の口笛を聞こうと集まってくる
少年の周りに存在する生き物たちと一つになり
少年は口笛で愛を奏でる
それに応えるように周りの生き物たちも愛と感謝を巡らせる

「やっと見つけた!」

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