あの味、あの記憶
みなさんはプルースト効果というものを知っていますか。匂いは記憶と深い結びつきがあり、匂いを嗅いで、過去の出来事や感情が蘇る現象のことらしいです。こんな風に記憶は触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚の五感と強い結びつきがあるそうです。wikiで見ました。
今日はそれを実感する体験がありましたので記念にここに遺そうと思い書いてます。
今日の流れを軽く紹介します。
今日は10時半に目を覚ますことから始まりました。本当は朝9時からタイミーのバイトがあったんですが、無視しました。ちなみにタイミーは無断欠勤すると一発で永久利用停止処分が下されます。僕は怖くて画面を開けていません。
そんな感じで最悪な気分で1日が始まりましたが昼過ぎに友人から遊びの誘いがありました。暇だったので誘いに応じてそのへんをぶらつくことに。
道中、昼食の調達がてらふらっと立ち寄ったスーパーにあった商品を友達が勧めてきました。パンで有名なヤマザキが作っている黒糖フークレアという見慣れない菓子でした。
食に関しては信頼できる人から勧められたこと、そして128円くらいで割と量もあったことで購入を決意。スーパーを出てからは近くの公園に腰を下ろして友人と駄弁り始めました。そして何の気もなしに買ったやつを一口齧りました。
少し癖のある黒糖の甘さと柔らかい生地。なかなかいけるなと思ったその瞬間、突如脳内にフラッシュバックする記憶の数々。
母親の顔。酔っ払って酒瓶で俺を殴る父。接近禁止令を破り校門前で出待ちしていた父。裁判所で見た父の背中。守秘義務を破り親父に情報をリークしたカス調停員。貧困層の母子家庭の日常が目の前に広がりました。
僕は最初どうしていいのか分からずただただ笑いを抑えられませんでした。隣に座った友人は不審物を見る目をしていました。事情を説明し二口目を頬張るとそこにはかつて慣れ親しんだあの味。そう、片親パンと呼ばれる菓子パン類独特のあの味わいです。わざとらしい甘さと量の多さで消費者の腹を満たすことしか考えていない貧困層の味方の味。
考えてみればすぐわかることでした。あの大手パンメーカーのヤマザキは、うす皮あんぱんやミニスナックゴールドなど片親パンを多く手がけており、メーカーを確認した時点で疑って然るべきでした。
味わうたびに溢れる思い出に爆笑しながら完食し、その後友人とはデリカシーのない会話しかできませんでした。これを書いている最中も様々な思い出が蘇ってきましたが、全て現在の俺を作ってきた経験なので受け止めていこうと思ってます。
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